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魔術師見習いと止まる世界  作者: 鞍多 奧夜
管理者(アドミニストレータ)
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管理者5

 歩き出してしばらく経つ。

 止まっている魔物たちの数は減らず、むしろ増えているように思う。

 ふいに魔物たちの奥から何かが僕に向けて飛んでくるのが見えた。

 とっさに僕は横にかわす。

 その何かは止まっている魔物たちを分断し、僕のすぐ近くを通りすぎる。 

 これはまさか……。

 僕に向けて先ほどと同じ何かが放たれる。今度は複数方向から同時にかなりの数が。最初のいくつかは避けることができたが、すべては避けきれなかった。だが、ある程度予想していた通り、その何かは僕にあたる直前に消え失せていた。  

 間違いない。これははるさんと初めて会った時に使ってきた魔術だ。

 今度はおそらく……。

 僕に向けて何かが向かってくる。その何かが通った箇所にあったものは、ことごとく消滅していく。

 僕は避けることをせず、その何かが向かってきた方向に目をこらす。

 そこには、複数の人影があった。全員が体型を隠すような大きめのローブと、頭のほとんどを覆うフードをかぶっている。

 あの人たちは一体……。

 再度僕に向けて放たれる何か。その人物たちは魔術を放ちつつ、僕の近くによって来る。

「目標の消失を確認できず。想定外の自体につき、管理者へ連絡」

 そんな声が聞こえる。声質は春さんに似ているが、雰囲気が異なり、春さんよりも硬く無機質に感じた。

「返答待ちの間、現状の維持を優先」

 その声と同時に僕のまわりに透明な壁のようなものが出現する。

 僕は壁を気にせず、目的地に向かって歩き出す。予想通り壁は僕に対して意味をなさなかった。

「魔術での現状維持失敗。肉体的な方法で拘束を試みます」

 その言葉が聞こえると共に、その人たちはそのまま僕に向かって飛びかかってくる。僕はあえてかわすことをしなかった。僕に接触する瞬間、その人たちは唐突に止まる。あるものは尻餅をつき、あるものは前のめるように倒れる。

 その結果、何人かのフードがまくれ、顔が見えた。

 春さんにとても似ている。いや、ほぼ一緒といっても良いような顔がそこにはあった。春さんよりも無表情で何か機会的な感じに思えるが。

 一体あの顔はどういうことなんだ。姉妹であるとしても似すぎているように思う。

「目標への接触に失敗。原因は不明」

 僕にかなり近いところで、先ほどと同じように声が聞こえる。

「君たちはいったい何者なんだ?」

 僕は声を発した人物に対して疑問を投げかける。

「質問と認識。貴方へどう対応するべきかの返答がまだ来ていないため、回答を拒否します」

「春という娘を知らない? 僕はその娘に会いに来ただけなのだけど」

「質問と認識。貴方へどう対応するべきかの返答がまだ来ていないため、回答を拒否します」

 彼女は機械のように同じ返答をする。

 さてどうするべきか。

 彼女たちは僕に影響を及ぼすことがおそらくできない。無理矢理通ることはできそうではあるが……。

 先ほどまでの魔物と違って、僕は彼女たちをあまり傷つけたくはない。容姿や能力を鑑みるに、春さんの関係者だろうし。 

「管理者からの返答受信。現状維持。排除行動は必要なし。また以下の言葉を対象に伝えるようにとのこと『アキヒコ君、いらっしゃい。春とともに向かうから、そこでちょっと待ってもらえないかな』」

 考え込んでいた僕にそんな言葉が届く。声質は異なるが、その言葉は、春さん父の雰囲気のそのままであった。どうやら春さんの父は無事のようだ。

「管理者から再度連絡。対象について調査の指令。今までの調査から、攻撃はほとんど通じないが、馬乗りになって拘束するのは可能だと考えられるとのこと」

 少し嫌な予感がしてきた……。

「調査を開始します」

 そういって、ある一人が僕にくっつき、ゆっくりと押し倒してきた。

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