略奪者14
「まずは」
一人で牢屋に入れられているわたしはつぶやき、学園長と春さんに向けて現状を伝える魔術を使う。依頼の直前、春さんにより、最も認識しやすいところに整理された『クラス』を元にした魔術だ。
学園長には、アジトの場所と女性を魅了することが真実であったことを送る。春さんには、学園長に伝えたことに加え、首領の詳細と助けに来ない方が良いということを送った。
さて、次はわたし自身の安全を確保しよう。気持ち悪いので、首領を見たくないし。
わたしは、『物質』を複製し、範囲内の者を『眠らせる』という効果を付加する。
位置情報は、この洞窟を覆うように設定する。当然わたし自身は範囲外に。
援軍が着くくらいには、効果が切れるようにしたほうがいいな。援軍が寝てしまっては良くないし。
魔術が発動した瞬間、ただでさえ静かだったまわりが、さらに静かになるのを感じた。
わたし自身には魔術の効果が出ないようにしているが、待っているだけでできることも無いので、わたしは目を閉じ、休むことにした。
数刻の睡眠をとり終え、わたしは目をあける。その後すぐに、盗賊たちを眠らせる魔術の効果が消えるのを感じた。
それから半刻も経たずに、洞窟が騒がしくなる。
わたしは、さらわれた女性たちを助けるために援軍がやってきたと判断した。それならば、捕まったままでいる必要はない。わたしは牢屋から抜け出し、その援軍に合流する。
盗賊の首領に関する情報は正しく伝わっていたようで、その援軍には男しかいなかった。暑苦しいことこの上ない。女装しなければならなかったけど、この役割で良かったかもしれない。
わたしとその援軍は、盗賊たちを蹴散らし、さらわれた女性たちが集まっているところにたどり着く。




