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魔術師見習いと止まる世界  作者: 鞍多 奧夜
調律(デバッグ)
12/53

調律2

「君たちのチームに依頼がある」

 それだけ告げ、僕の机に数枚の紙を置き、去っていく教授。

 少なからず動揺する僕、美夏みかねぇ、黒河くろかわさん。教授に伝えられた言葉は、はるさんを除く僕ら三人を驚かせるものだった。

「そんなに不思議なことなの?」

 僕の隣に座り、教授がいる間も僕の方を向いていた春さんが、そのまま姿勢を変えず聞いてくる。僕の観察という指令を受けているとはいえ、そこまで徹底しなくてもいいのでは、と思う。

「私とそこのシスコンの能力判定にEがあるからよ。学園生の安全を考慮して、E判定の学園生がいるチームは依頼を受けられない。もちろん、頼まれもしないはずなの。それよりあなたたち何があったの?」

 答えは黒河さんから飛んできた。余分な質問と共に。あと、家族を好きで何が悪い。

「なるほど。そういった決まりがあるんだ。私がアキヒコを見ている理由なら、ごく個人的なもの。詳細は秘密」

 黒河さんは「姉だけではなく、新しく入った子まで。こいつのどこがそんなにいいんだ?」という顔で僕を見てくる。

 春さんが秘した詳細を知っている僕は、それが勘違いだと知っている。しかし、それを指摘して良いわけもなく、もどかしく感じる。同じチームなのだから、黒河さんともできるだけ仲良くしたいのだが。

 現状では、どう取り繕っても無駄だろうと判断し、教授に渡された紙を取り、それに意識を向ける。正確には、教授が適当においていっただけで、渡されてすらいないけれど。

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