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魔術師見習いと止まる世界  作者: 鞍多 奧夜
調律(デバッグ)
11/53

調律1

 肌が燃えるように熱く、痛い。先ほどまで、実際に燃えていて、かろうじて消すことに成功したところなので、当然と言えば当然だ。

 その痛みとは別の要因で全身が悲鳴をあげている。つい先刻から、走って逃げ回っているためだ。

 僕は、ほの暗い洞窟の中を走り回っている。

 現在は背中を向けて全力で逃げているため確認できないが、僕のすぐ後ろには、ドラゴンと呼ばれる魔物――人間を優に越える巨大なトカゲのような生き物、口から火を吐く魔物――がいるはずだ。

 僕は、最初に一度、ドラゴンから口から炎を吐き出してくる攻撃、ファイアブレスを受けた後、全ての攻撃を紙一重で避け続けている。火事場の馬鹿力という言葉があるが、それと同様に緊急事態のため神経が鋭くなっているためか、はたまたただの偶然か。ただ、避けているだけで、反撃はできていない。そもそも僕の魔術では発動までに時間がかかりすぎる上に、このドラゴンに有効な魔術が何かわからない。絶望的な状況だ。

 そろそろ次の攻撃を仕掛けてきそうだ。そう思った僕はドラゴンの方をちらりと確認する。

「……?」

 変だ。何もしてくる様子がない。

 不思議に思いながら、僕は意識を前に戻す。このままドラゴンの視野外に行き一度隠れよう。

 そう考えた僕の眼前にもう一匹のドラゴンが現れる。

 あ、これはもうだめかもしれない。

 そんな風に思った僕の脳内に、まるで走馬燈のように、ここ数日の出来事――ドラゴンと戦うに至った経緯――が一瞬のうちに思い起こされた。

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