左手、コイツうねうね動くぞ!
ラドミ・ラドミの左手は
他を弾けない欠陥品
……だった
久々に触ったキーボードの鍵盤
スカスカのスポンジみたいな感触に笑う
壊れてないからまだ遊ぶ
私の人生みたい
少しずつ治りつつある日常
少しは前に進めただろうか
求めるメロディを私は弾けるかな
適当な指慣らしの演奏
ラドミ・ラドミの左手では
同じ様な演奏しか出来ない
(飽きた)
(このメロディ飽きた)
新しいメロディを奏でたい
思ったら脈打つ指先
……、
……弾けるかも?
わかんない
わかんないけど
なんか、なんか
ちょっと挑戦してみたい
ラドミ・ラドミの左手に
脳が語りかける
(FFのプレリュードのような)
(流れるメロディ)
(弾きたいな!)
〜♪
〜〜♪
(!)
左手が動いた
指示通りぬるぬる動くぞコイツ!
ミスタッチしまくっても
新しい弾き方をしている左手
がんばれ
がんばれ
今までラドミ・ラドミしか弾けなかったのに
急にどうしたの
もしかして
私変わった
音も、変わった?
これから何かが変わってく
そんな予感がヘッドフォンから流れる
これは確かに私が鳴らしている
何かのはじまりを告げる音
聴きながら目を閉じる
「いつか思い通りに奏でてね左手」
指先との約束
叶ったなら新しいキーボードを買うよ
その日が来るのがたのしみ
とても
すごく
めちゃくちゃ、たのしみ!
最近手先をよく使うので、器用になったのかもしれないです。でも今日は、硝子のコップを落としたんですよ……泣




