守る者
夜の街。破片と煙が立ち込める中、俺は肩と腕の痛みを感じながら立ち尽くす。
影の力はまだ完全には制御できない。手の中で蠢く影が、勝手に形を変える感覚が残っている。
モニターに映る赤い警告。異常値が点滅する。
「黒斗、落ち着け」
ミオの冷静な声。だが、銃を構えたその姿が俺を支える。
その時、オブスキュラスが再び現れた。巨大な触手が街のビルを叩き壊す。
「くそ…まだ勝てない」
力を集中させるが、影は思った形にならず、剣が触手のように暴れ出す。
スプライトが群れを成して襲いかかる。避けようと影で防ぐが、制御が甘く、一体に致命的に触れてしまい、街の歩道に亀裂が入る。
胸の奥で恐怖が膨らむ。力が暴走すれば、味方も、街も巻き込まれる。
「黒斗! 影を抑えろ!」
ミオの指示で影を一時的に盾に変え、暴走の衝撃を抑える。
だがオブスキュラスの触手が俺に迫る。肩に激しい衝撃が走り、痛みで視界が揺れる。
次の瞬間、ミオが俺の前に飛び出し、銃で触手の一撃を受け止めた。
「ミオ!」
短く叫ぶ。彼女の腕に裂けた衣服、肩には軽い打撲が入る。血は出ていないが、動きが一瞬止まる。
「まだ…死ぬな」
ミオの声は短くても、決意が込められていた。
その隙に影を集中させ、剣を突き出す。テンペスタとスプライトの攻撃をかわし、オブスキュラスの触手に応戦する。
完全勝利ではない。力は未熟だ。
だが、ミオと組めば、なんとか生き延びられる――それだけでも希望だった。
戦闘が収まり、街には深い傷跡が残る。
俺は肩と腕に、ミオは肩に痛みを感じる。胸の奥の恐怖も消えない。
まだ制御できない力。
それでも、俺たちは確かに戦った。
初めて自分の影を信じる一歩を踏み出せた――ミオが隣にいる限り。
物語は、まだ終わらない。
次はもっと、強くならなければ――。




