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黒眼のリバイヴ  作者: たからの
黒眼の目覚め

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20/28

影との対峙

霧が薄れ、朝の光が山肌をかすかに照らす。

黒斗は膝をつき、冷たい地面を手で押さえながら呼吸を整える。背後の影は暴れを続けているが、昨日や一昨日のような単純な荒々しさではない。重く、反発力を持ち、まるで意思を持った相手のように黒斗を試している。


「今日は……本気でいく」

黒斗の声は低く、震えよりも覚悟の色が濃い。

ミオは少し離れ、銃を下げて冷静に見守る。

「……危険が大きいわ。無理はしないで」

しかし、その声も黒斗の鼓動を抑えることはできない。


玄真がゆっくりと間合いを詰める。

「お前の影の真価を試す。俺が攻撃するのは刺激だ。覚えておけ、戦う相手は影自身だ」


黒斗は踏み込み、影に手をかざす。

影の一部が鋭く尖り、重さと反発力を体に伝える。衝撃を受け止めながら、黒斗は逆に体勢を崩し、反撃の軌道を作る。

「……反撃に使えるか」


鋭い痛みが体を貫く。影の先端が体にぶつかり、岩を砕く衝撃が伝わる。だが黒斗はその瞬間、意識を集中させて影の力を利用する。

鎖を巻き、刃を振るい、盾で攻撃を逸らす。反発力を受け流し、逆に動力として返す。

「……これが、次の段階か」


玄真は一歩下がり、観察する。

「よし。恐怖や興奮ではなく、怒りや判断を混ぜろ。影を自分の道具として使うのではなく、意思をぶつけろ」


黒斗は息を荒くしながらも体を微かに沈め、影の揺れに合わせて攻撃を繰り出す。

暴れる影を押さえつけるのではなく、攻撃の一部として逆手に取る。

鎖が岩を巻き上げ、刃が空気を切り裂き、盾が衝撃を跳ね返す。

荒々しい動きが、彼の意思に呼応する瞬間、初めて**影と意思が“互いに試し合う感覚”**が訪れる。


ミオは少し顔をしかめ、息を呑む。

「……危なっかしいけど、やっと“使える”感じね」

黒斗は小さく頷き、影に目を凝らす。

揺れる、反発する、暴れる――だが確実に呼応する。

恐怖ではなく、戦術として意図を読み取り、逆手に取る感覚。


霧の向こう、遠くで何かが静かに揺れる。

視線。まだ姿は見えない。

しかし確実に――誰かが、黒斗の成長と影の揺れを見つめている。


「今日の教訓を忘れるな。揺れは力だ。制御するのではなく、ぶつけろ」

玄真の声が静かに響く。


黒斗は拳を握り、影の圧力と反発を体感として受け止める。

まだ荒削りだが、影は確実に彼の意思に呼応し、共に動く。

今日の試練は終わった――だが、次の戦いへの布石は、静かに回り始めていた。

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