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第2話:日常
キーンコーンカーンコーン――
静まりきった教室に、授業の終わりを告げるチャイムの音が鳴り響いた。
その瞬間、静まりきっていた教室はざわめき声でいっぱいになる。
(やっと帰れる……。)
このチャイムは僕にとって、第二の時間の始まりを告げるチャイムでもある。
一つ目が学校での時間なら、二つ目は帰宅してからの時間だ。
(早く帰って本でも読もう。)
正直な話、僕にとって学校生活はかなり空虚なものだった。
学校では控えめにおとなしくして過ごしている。
だからといっておとなしすぎるとそれはそれで嫌われそうだから、ある程度誰かと話したりして、微妙な調節をとる。
僕みたいな人を偽善者というのだろう。
過去のトラウマから、僕は僕を作り込むようになっていた。
それとも、これが本当の自分なのか。
そもそも本当の自分ってどんな自分なんだろう。
最近はそんな事ばかり考えていた。
(また本借りてから帰ろうかな……。)
僕は、いつものように図書室に寄る事にした。
まだまだ未熟すぎる自分ですが、もしよければ感想・コメントなど宜しくお願いします。