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11話 互いに譲れない闘いがあるそうです。

お久しぶりです。

皆さん、今年ももう終わりです。


しかし、新年の水曜日には投稿しますので!

よろしくお願いいたします!

暗闇、辺り見渡す限りの黒。

一体何が起きて……あぁ、そういえばハートに抱きしめられ過ぎて、そのまま気絶したのか……。

本能的か自己防衛が働いたのか、どうやら自身を干渉能力で強化してたっぽいな。

じゃなきゃ、今頃あそこで血の池が完成していた所だ。


~~……


何だ? 何か聞こえたような。


~~


まただ、それに歌って、いる?


~~♪


誰だ?綺麗な歌、声は……あまり、聞こえない。


~~♪


ああ、そうか。歌っているのは間違いない。

けど、これは……鼻歌だ。


「ん……」


まどろみの様な感覚。

視界がボヤける……。


「フーンフフ~ン♪」


綺麗な声だ。正直、これは子守唄としてかなり良いだろう。

思っていると、意識が徐々にはっきりしていく。

そして、意識が完全に覚醒した位だろうか、そこは城の来客様の寝室であった……多分。

などと、思っていると、


「ん?起きたか、ミナト。心配したぞ?」

「ソイ、レーン……さん?」

「ああ、そうだ」

「……綺麗な歌声ですね」


鳩が豆鉄砲でも食らったかの様に目を丸くしているソイレーンさん。

そして、


「フハハ……フッハッハッハッハッハッ!!」


盛大に大笑いをする。

え?俺何か面白いこと言ったかな?


「いや、フフフ……すまない、そんな事を言われたのは仲間以外に無いからな……新鮮で、フフフ」


おおらかに笑ってから徐々に、優しく微笑むソイレーンさん。

椅子に座り、窓際から差し込む光りが幻想的で、元から整った顔が更に際立つ。

そして片手に本を持ち、笑う姿は正に、


「女神だな」

「プッ……!フハハ!!私がか?フハハハハ!!」


こちらを見てから、


「ありがとう、世辞でも嬉しいぞ?ミナト」


笑顔を見せてから、何でか少しだけ恥ずかしくなる。

すると、廊下が突如騒がしくなる。


『ほれ、ハート?ちゃんと謝罪するのだぞ?』

『うん……』

『ハハハ!安心せい、ミナトはちっとも気にしとらん!』

『でも、思いっきり抱き締めちゃったよ?』

『なぁにを言うか!こんな、可愛い娘に抱きしめられたのだ、嬉しくない訳がない!』

『そ、そうかな……?』

『ああ、そのとおりだ!』


……丸聞こえですよ、レイラさん、ハートさん。

もう少し隠すと言うことをしましょうね。

丸聞こえの会話が終わり、扉の向こうで咳払いが1つ。

そして、ノックが三回。


「失礼します」


申し訳なさそうに入るハート、優しく微笑みながら部屋に入るレイラ。

一瞬俺と目が合うハート。しかし、すぐに目をそらしてから目を瞑る。

数秒、入ってからの静寂後、意を決したのか目を開けて俺と向き合う。


「ミ、ミナト……その、大事な話の最中に……ごめんなさい!」

「ああ、大丈夫だよ」

「私、わた……え?」

「ん?」


互いに首を横に同時に傾げた。

え?俺何か変なこと言った?

そう思うとレイラがフフフと笑い、ハートが勢い良くレイラの方を向く。


「だから、言ったでしょ?ミナトは気にしてない、と」

「え、え、え?で、でも……」

「分からんのか?ミナトはそんな小さい事を気にする男ではない。ハート、お前の惚れた相手の器の大きさは尋常では無いぞ?」


それからレイラに軽くウインクをされる。

多分、『ほれ、ハートに何か言ってやれ』と言う事なのか、俺はベッドから降りてハートに近づく。


「ハート、俺は気にしてないよ?でも、抱きしめる時は少しだけ手加減してな?」


俺はハートの頭を撫でながら言う。

そんなハートは頬を赤くしながら小さく頷いた。

そのあと、レイラの方を向く。


「レイラ」

「何じゃ?ミナト」

「……俺、行くよ」

「……そうか」

「俺は元の世界にもう未練はない。だからこそ、この世界に住む為に行ってくる」

「……」


その場に居合わせた全員が黙り込む。

ハートは悲しげな表情を浮かべ、レイラは表情を変えてはいないが、雰囲気的には悲しげな空気を醸し出す。


「赤竜帝殿」


この空気の中、ソイレーンさんが意を決した様にレイラに話を掛ける。

そんなソイレーンさんにレイラはゴミを見るような目で見る。


「何だ、人間?」

「……ミナトを私、いや……私達に任せては貰えないだろうか?」


ギリッと歯を噛み締める音が聞こえ、レイラの表情が変わっていく。


「厄災の欠片にすら負ける貴様に、ミナトを預けろ、と?」

「私だけではなく、私達であります」

「変わらぬよ」

「……申し上げにくいのですが、赤竜帝殿」

「何だ?」

「貴方も厄災の欠片に負けた身でありますよね?」


その一言を言った瞬間、レイラからオーラが解き放たれた。

それもただのオーラでは無く、灼熱のオーラが解き放たれ爆発が起こったかの様な衝撃波が起こる。

突然の事で俺はハートを守れなかった。

多分、今の勢い……壁に激突して気絶しているな。


因みに俺にはオーラが飛ばされなかった。

俺はハートの方へ視線を向けると、


「あ、危ないよ……お母さん」


背中から羽を出して、羽で衝撃波を防いでいた。

なーるほどね、ハートって意外と強い子なのねーうん。

この騒動に廊下の方から、人がドンドン集まってくる。


『何が起きた!』

『わ、分かりません!』

『客室からだ!』


外の兵士達が俺のいる部屋に駆けつけて来ているのだろうな。


『何事ですか!』


あ、女王の声が……。

騒ぎを聞き付け、兵士と女王が走ってこちらに向かっているのだろう……いや、女王が走っているかは分からないな、走ったら危ないからね。

思っていると、部屋の扉が勢い良く開かれる。


時間にして数分、実はこの時ソイレーンさんはレイラの放った衝撃波にびくともしていなかった。

そして、互いににらみ合いをしていたのだ。


「……これは一体どういう事か、説明はして貰えますね?」


部屋の惨状、レイラとソイレーンさんの2人が放つ威圧に空気を読んだのだろうか、女王が冷静に問いかける。

レイラが女王へ横目で見る。


「決闘場はあるか?」

「はい?」

「決闘場があるか、と聞いている」

「ここから西に向かえば、決闘場がありますが……まずは、説明をーー」

「ーー来い、人間。その舐めた態度に言動……我、自ら教育をしてやろう」


女王の話を聞かず、その場を去ろうとするレイラ。


「ま、待ちなさい、説明をしてかーー」

「ーーあまり人間を舐めない方が良い、痛い目を見るぞ?」


やはり話を聞かず、ソイレーンさんもその場を去ろうとした。

そして、2人は部屋から出ていき、俺とハート、女王に護衛達が取り残される。

顔に手を当て、苦悩している女王。

ちらりとこちらを見てから、


「……説明をして貰えませんか?タカセ様」


まあ、そうなりますよねー。

俺は何があったか、女王に説明をした。

それと同時に決闘場に足を運ぶ。

決闘場、見た目はコロッセオ見たいな奴、説明以上。

俺らは観客席、特等席に座り中央に立つ2人を見守る。


……と言うか、強化ガラスとか無いの?

何か飛んで来たら危ないじゃん?

思いながら手を伸ばす。


「あれ、触れる?」


これは凄い!何もないのに、触れる。いや、何もない様に見えて何かある!

俺の障壁見たいなものかな?

ワクワクしている中、ふと右の席に座っている女王へ視線を向ける。

肘着きに肘を立てて、頭に手を当て苦悩している女王がそこにいた。


「……はぁ、修繕費は彼女に御願いして……何故……今、今喧嘩しないといけないのでしょうか?はぁ……」


御愁傷様です、女王陛下。

思うと、左の袖をクイクイと引っ張られる。


「どうした、ハート?」

「お腹空いたー」

「あーなるほど?」


因みにこの特等席には俺と女王、ハート以外に護衛と使用人が幾人か待機している。

俺は後ろへ振り返りながら軽く手を上げた。

使用人の1人がゆっくりと近づく。


「お呼びしましたか、タカセ様」

「すみません、軽食を……」


チラリとハートの方へ視線を向け、思い出す。

そういえばハートは食べ盛りでこの前持っていった食べ物を殆ど食べてしまっていた。

いや、これは軽食では……。


「軽食でよろしいでしょうか?」

「いえ、普通の料理をこの子にお出しって可能ですか?」

「はい、問題ございません」

「では、御願いします」

「承知いたしました。では、料理が来るまでの間こちらのお菓子をお食べください」


ビスケットの様な物を渡され、俺はハートの方へ向く。

そこには目を輝かせ、少しだけヨダレを垂らしているハートがいた。


「ハート」

「はいッ」

「欲しい?」

「欲しいですッ」

「ちゃんとおねだりして?」

「そのお菓子を世界一絶世で賢くて、スーパーウルトラ超絶キュートで可愛いハートちゃんに下さいッ」


え?今なんて?

思わず目が点になる。いつ、どこでそんな言葉を覚えたのか。

少なからずレイラが教える訳がない。


「我が愛しき、世界一絶世で賢くて、スーパーウルトラ超絶キュートで可愛いハートー!見ておれー!この阿呆を叩きのめす所をー!」


……レイラが教える筈がないと思いたかった。

顔に手を当て、チラリと横目でハートを見る。

両手を広げてビスケットを待つハート。

ビスケットを上げようとハートの手に近付ける。

更に輝きが増す。俺は逆に遠退ける。

すると、反対に悲しそうなオーラと表情を浮かべた。

それを数回行う。何だこれ……何か楽しい。

しかし、本当に泣きそうになるハート。


「はい、ごめんね。意地悪して」


にこりと笑いながらビスケットをハートに渡す。

すると、目を輝かせビスケットを口に放り込む。

口いっぱいにビスケットを入れて食べる姿は正に、ハムスターである。

そんな愛らしい姿に思わずハートの頭を優しく撫でていた。


『さぁ!皆さん!お待たせ致しました!』


元気良くコロシアム全体に響き渡る実況の声。

そして、いつの間に観客席が満員となり、響き渡る歓声。


『今回の対戦はこちら!赤コーナー!現在世界最強と呼ばれる十傑の1人!剣甲姫ヴァルキュリアの異名を持つ!ソイレーン・クルト・シオン!』


軽い紹介と共に盛り上がる観客、響き渡る声。


『続きまして!青コーナー!世界に10匹しか存在しない!そして、赤の竜!赤竜帝レイラ・レッドドラゴン!』


俺はまさかの衝撃の事実を知る。

レイラって、フルネームあったのだと。


『では、皆さん!開始のカウントをご一緒に!3から行きますよ、3から!』


大きく息を吸い、観客達に合わせる。


『『『3!』』』


カウントと共に感じる緊張感。


『『『2!!』』』


沸き上がる興奮と期待の観客。


『『『1!!!』』』


2人から溢れんばかりの闘気。


『『『ファイトッ!!!!』』』



そして始まりと同時に微かに感じたのは、



殺意であった。


11話 終

今年の投稿はこれで終了です。


ちょっと早いですが、今年はありがとうございました!

良いお年を!

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