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バナージ

作者: 孤雪

※このバナナはフィクションです

実在するバナナとは一切関係ありませんのでご注意ください

切っ掛けは、そう

G〇〇gleに、音声認識で「バナージ」と尋ねた事だった。

G〇〇gleのやつ、どこをどう取り間違えたのか

「バナージ」を「バナナ味」と誤認識したのだ

それが全ての始まり。

私がバナナの思考迷宮に迷い込む原因だった――――――


バナナ味

それはアイス等、色々な食品に実装されている味である。

だが、実際の所どうだろう。

バナナ味の食べ物とバナナを食べ比べてみると、私はいつも思うのだ。

「すっごい違う……」と。

何故、バナナ味と称しながら、こんなにも違うものになるのか。

バナナ味を本物のバナナの味に近付けるのは難しい事なのか?

バナナ味とは何なのか――――――


私は疲れていたのだろう。

ある日、あらぬ結論に達したのだ。

実際のバナナの味をバナナ味で再現出来ないのなら。

バナナの味をバナナ味に……。

バナナ味のバナナを作ればいいじゃないか――――――


思い立ってからは早かった。

バナナの品種改良、与える肥料の調整etc……。

睡眠時間さえ惜しみ、私はバナナ味のバナナを作ることに心血を注いでいた。

そして、ついに完成したのだ。

「バナナ味のバナナ」が――――――




少しだけ残っていた私の中の正気な部分が叫ぶ。

「売れるわけがない」と。

しかし私は止まらなかった。

止まれなかったが、それでも私の行動は多少の変化を見せた。

「バナナ味のバナナ」は「数量限定品」として市場に解き放たれたのだ。


――――――こんなもの、一発ネタでしかない。

最初はネタ的に売れたとしても、すぐに飽きられ皆普通のバナナに戻るのだろうから。

だから、勝負は一度。

興味を引いているうちに売りぬき、せめて不良在庫を抱えないように。


そしてその思惑は功を奏す

研究費用による損失は多少あったが、不良在庫による損失は抑えられたのだった。

こうして、私の「バナナの思考迷宮」は終わったのだ。

確かな達成感と共に――――――




ある程度の月日が経ち

「バナナ味のバナナ」は、一種の話のネタとして

「既に手に入らない幻の品」として、伝説になっていた――――――

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