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13式!前進!  作者: isi
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改造の方向性

 「ではええかの?」



 「はい……。」



 頭をさすりながらボクはおとなしく話を聞いている。



 「先に12名、ワシの世界に転移させておる。

各地に振り分けてな。

各自にはワシがスキルというものを授けた。

そして互いのスキルを奪い合い最終的に残った唯一人に現地人と同じ身体にしてやると言い渡した。」



 「奪い合うというのは殺し合い?それとも簒奪するの?」



 「譲渡できるようにしてあるし、殺して奪うこともできる。

他の要因で死亡した場合はそのスキルは消失するのじゃわい。」



 「へー、でもみんなバラバラなのに会えるの?」



 「各自にはステータスボードが配られていて、おおよその位置も特定できるようになっているのじゃ。

そしてお主らは違う異世界種族じゃからのう。

寿命も設けさせてもらった。

10年じゃ。

ソレまでに現地人とならなければ死んでしまうのじゃ。」



 「えー!!横暴だ!」



 「いや、死んどった所をひろってやったじゃろ?

いやなら死んでもらって結構じゃ。」



 「……やります。」



 「結構、結構。かっかっか。」



 変態悪魔爺はお茶に口をつける。



 「みんな、どんなスキルもらったの?」



 「あーなんだったかのう?グダグダうるさかったわい。

スキル簒奪とか、経験値増加とか、全属性の魔法とか……。」



 「え?魔法あるの!」



 「あるぞい。魔法があって、魔物でも異種族でも人同士でも争っている戦争パラダイスじゃ。

魔素という世界の構成を補助する物質があってな、これを使い魔法という形で発現させるのじゃ。」



 「ボクもつかえるの?」



 「元々世界を作るのにワシが操作をしていたからのう。

ここでワシの影響を受けておるから扱えるはずじゃ。」



 「おぉぉぉぉ!……じゃあ、スキルっていうのは?」



 手をちゃぶ台について身を乗り出す。



 「それはワシが楽しむために一つおまけしておいた。

現地人より強力な肉体ではあるがそれだけではつまらんからのう。」



 本当にボク等を観察して楽しむつもりだ。

娯楽なのか?

まあ、変態悪魔爺だからしょうがないか。

どの道、選択肢がないのも事実。

チートスキルを使ってあずさ先輩を確保……。



 「あれ?スキルっておまけの要素なの?

普通はどうやって習得しているの?」



 「おおぅ?そんなのはないぞ?地球ではあったのかの?

擬似的にソレをできる身体に調整してやっただけだわい。」



 「じゃあスキルの奪い合いって?」



 「ああ、ボードに表示されるんじゃ。

奪ったスキル名が表示されるだけじゃが?

そもそもそれが発現できる肉体ではないからの?」



 「うわ……詐欺だ。

詐欺師だ。

さすが悪魔……やることがコスい。」



 「失礼じゃのう。」



 「……ってスキル簒奪って言っていたけど、それって何の意味が?」



 「無いのう。一般人はスキルなんて持っとらんしな。

転移者に対しては、そもそも殺すか譲渡のルールは変更しないから基本的に何もしとらん。

ボードに書き込んだだけで終わってもうた。」



 ボクは唖然とした。



 「あ、あの経験値とかは……本当にあるの?」



 「ないぞい。これも地球にないじゃろ?

そもそも数値化できないことだぞ。

生物の魂の欠片を魔素と共に自身に取り込めば己の魂を強化できるので、貴様らの言うゲーム的な経験値といえなくはないのじゃが。」



 「……それって安全なの?」



 「おー、ある程度なら問題ない。

取り込みすぎると魂や肉体が耐えられなくなるがの。

変なの取り込むと精神に影響するし、取り込みすぎると肉体が破裂する可能性もあるのじゃけどな。

かっかっか!

確か、この件は……少し脳みその性能を上げといた。

理解力が上がれば経験値が上がりやすいと勘違いするかと思ってな。

くっくっく。」



 「ひどい……いや、案外有用なのかな?」



 うーんと首を傾げる。

変態悪魔爺の説明からすると地球人の頃とそうかわらないように思える。

肉体強化されて魔法がつかえるという条件だと脳みその強化は結構ありではないのか?

全ては脳みそから指令がでるのだから。

ちゃんと確認しないとこの悪魔にだまされる。

魔法はどうなんだろ?



 「魔法の属性って?」



 「そんなもんないわい。

そんな区切りをしていては魔法を理解することなぞ不可能じゃわい。

世界を作ったときの補助物質じゃから、便利ではあるが万能ではないぞ。」




 「やっぱり。」



 「そうじゃな……。」



 反対悪魔爺は目の前の画面を操作して何かをみている。



 「空気の魔素に干渉して風を操ることはできるが、石ころを何もないところから構成したり、飛ばすことはできないのじゃ。

ついでに回復魔法もないぞい。

魔素に知性がないからの。

あくまで使い手の頭次第じゃな。

システム的な補助が受けられるのはワシだけなのじゃ。

全属性とかわけのわからないことをいっていた小僧にはNTR属性とかバイセクシャルとか男の娘とかケモミミとかを盛っておいたぞい。」



 「なにそれ……。」



 おもわずジト目で変態を睨む。



 あかん、この爺は頭がおかしい。



 「あずさという娘は賢かったのう。

魔素の操作を選択しおった。

魔素と自分の魂の結合によって生み出される魔力ではなく、直接魔素の操作を出来るように願うとはのぅ。

魔力操作では質は向上するが、飛びぬけた魔法を使えるものではないのじゃ。

魔素の直接操作によって稀代の魔法使いとなるはずじゃ。

ふぉっふぉっふぉ。」



 慎重に選択をしなくてはハメられる。

でもどうしよう。

よくわかんない。



 「それでじゃな、小娘。

貴様には彼らとは違う役目を負ってもらう。

状況が膠着、もしくは何もせぬ者がおればソレを打破してもらう。

指令は追ってだす。

普段は適当に世界でも満喫しておくがよい。」



 「ん?役目?」



 「そうじゃ、12名が既に転移しておる。

小娘が13人目ということじゃ。

貴様の世界では13というのは裏切り者の数字なんじゃろ?

そして殺し屋の数字でもある。

そして小娘は四ツ木 瞳じゃったな?

瞳は13と言い換えることもできると聞いたのじゃ。」



 あーあれか、宗教的な人か……って殺し屋?

それは「俺の後ろに立つな」の人?それは違うんじゃ?

何でそんなこと知っているのよ。



 「はあぁ、そうですか。」



 「小娘はワシの手駒になってもらう。

どうなりたいか言ってみ?

ヤツらに使う予定じゃった力もかなり余っている。

元もとの割り当て分に足すと大抵のことはできる。

ワシが何とかしてやる。

方向性だけでも示してみるが良い。」



 「うーん……。」



 困った。

でも助かった。

ボクにアイディアなんて思いつかないから。



 でもどうしよう?



 とりあえず魔物もいて戦争パラダイスって物騒な世界なんだよな?



 一人でも生き残れるようにしないと……。



 回復魔法がないっていうことは……まずは防御力を固めないと死ぬ。 



 当たらなければどうということはないって素早さ重視……当たったらえらいことだよね。



 先制攻撃、遠距離攻撃の圧倒的な魔法って接近されたらえらいこっちゃになってしまう。



 うーん、でも一方的に……逃げればよいのかな。



 有る程度は何とかしてくれるみたいだし、継戦性が大事だよね。



 魔法は最初から使えるみたいだし。 



 盾職いってみようかな。



 ボクはすぐ油断して死にそうだし、頑丈で耐久力があれば即死は間逃れるはず。



 運動神経も良くないので苦肉の策だ。



 「じゃ、じゃあタンクで!」



 どうなるか分からないけどとりあえず言ってみた。



 変態悪魔爺の気が変わらないうちに。


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