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事実
さっきの声の主は、ホルグ博士だった。とても有名な学者のはずだ。でも、専門は医学ではない筈……
「どうやら君は、私がなぜここに来たのかわかっていないようだね。そうだろう、ヴィロン。」
唐突に僕の名前を呼ばれ、なぜ知っているのかという新たな疑問がわいたが、博士は構わず話を続ける。
「君がこの子のことを人間として見ているのかそうでないものとして見ているのか知らんが、ここに運ぶべきじゃなかったな。この患者は。」
博士のいうことが理解できない。頭の中で処理ができない。一体、何を言っているんだ?
「どうやら、記憶はないらしいな。忘れているのなら、改めて言おう。」
次の言葉は、さっきとは違い理解できた。理解できたからこそ、知りたくなかった。
「この子は人間じゃない。人造人間、いわゆるロボットだ。」




