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先生
君が意識を失ってから、僕の生活はとてもつまらないものになった。
しゃべる人も、いない。
日常が崩れ去って、僕は深い傷を負ったようだ。簡単には治らない、深い傷を。
もちろん、特効薬はある。でも、君は今は眠っているから、起こせないから。
僕の傷は、治らない。
今日も病室には君と僕。邪魔するものは、誰もいない。もし邪魔する奴がいたら、僕は迷わずそいつののどを食い破るだろう。そういえば、この前医者が「我々では手に負えないから、ある先生を呼ぶ」みたいなことを言ってた。もし治らなければ……
今度こそ、僕の精神は崩壊するだろうな。
コンコン。
ノックの音。
部屋に誰か、入ってきた。
「なんだ、君か」
そういった声の主を、僕は知っている。