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アルト  作者: 若林夏樹
18/18

最終回 アルト


ここまで読んでくださってありがとうございました。

書ききれなかった無駄な設定を書きました。

そこも読んでくださると嬉しいです。



 退院してから初めて学校に行ったときのクラスメートの反応はそれぞれだった。

 最初は驚かれた。なんで言わなかったんだと責められたり、怪我を心配されたり、そもそもアルトって何?と訊かれたり、とにかく反応は様々だった。

 その日だけで、隼人は動物園のレッサーパンダの気分になった。


「もう怪我のほうは大丈夫なのか?」

 ようやく解放されたとき、英二が苦笑しながら話しかけてきた。隼人も苦笑いになる。

「ああ。それよりいろいろ迷惑かけたな」

「ほんとだよ。バレたらバレたであっさり英雄だな」


 一宮に言われたクラスメートにも正体を明かすなという約束は守れなくなったが、これで良かったんだと思う。うしろめたさを感じることなくみんなと接することができるから。

 ただ、レッサーパンダからは早く脱出したかった。


 隼人の大事を取ってからなのか、マネージャーの池田は先1週間全く仕事を入れていなかった。

 だから、菜穂といっぱい遊びに行こうと考えている。


「英ちゃん、俺今からデートしてくらぁ」

「いってらっしゃい。俺もだけどな」

 なんとなくわかっていた。英二が友紀とつきあいだしたということを。

 よかった・・・ほんとよかった。隼人は心からそう思った。


            ◇


 いつもより遠回りして帰った。自転車を引いて歩き、隣には奈穂がいる。

「アルトってどういう意味なの?」

 会話の流れで菜穂にそう訊かれてしまって、隼人ははたっと固まってしまった。

「え・・なんだろ」

「えぇぇ・・・知らないのー?」


 そういえば前にメンバーが言っていたような気がするが、すっかり忘れてしまった。

「なんだったっけ・・・歌のパートとは関係なかったような気がするけど・・・」

 ソプラノ・アルトとは関係ないんだと思ったことは覚えている。しかし、肝心なところを忘れてしまったらしい。


「そうだ、本屋に寄ってってもいい?」

 菜穂の提案で、2人は駅前の書店に寄ることにした。


            ◇


 書店に入ってからも、隼人はグループ名の由来を思い出そうと奮闘していた。自分がバカなのはわかっていたが、こんな肝心なことまで思い出せないとは思わなかった。

「まだ思い出せないの?」

 呆れたような表情で奈穂がやって来る。

「やばいよな、俺。なんか思い出せそうな気はするんだけど」


 ふとそのとき、隼人の視界に英和辞典が映った。

 そうだ・・・もしかしたら外国の言葉かもしんない・・・・・・


「イタリア語?」

 真っ先にその辞書を手に取った隼人を見て、不審そうに奈穂が訊ねてくる。

「うん。リーダーが昔イタリア語勉強してたから」

 ぱらぱらとページをめくって捜し始めてからすぐそれを見つけることができた。

「―――あった」


     ―――Alto<アルト>   高所 上部 天 海


 そうだ。結成するときにリーダーが言ってた。どんなことがあっても、俺たちは上だけを見ていこうって・・・・・

 一見すると、アルトは低いイメージがあるが、あえてイタリア語の意味で使ったところがリーダーらしかった。


 菜穂にそれを教えると、へー・・かっこいいと感心してくれた。

「いつか菜穂にもアルトが好きだって言わせてやるよ」

 隼人はアルトのボーカルとして言った。


            ◇


 アルトが初のライブを行うことになったのは、隼人が高校を卒業した後の話になる。

「はー・・・緊張するー」

 直人がステージ裏でそんなことを言いながら何かとなえている。

「俺もだ。今日初めて彼女が来ることになってんだよ」

 珍しく和馬も緊張しているらしい。


「よっしゃ!集まってくれ」

 リーダーはすでに円陣の準備をしている。


 全員揃ったところで、リーダーが一言言った。

「とにかく楽しくやろう!!」


「おおぉぉぉっす!!!」


 なんとも変なかけ声でアルトの初のライブが開始される。

 隼人はステージ上のマイクスタンドに向かって走り出した。

なんとなく書かなかった無意味な設定です。

・実はリーダーは結婚している!

  奥さんは1度だけ作中に登場していますが、

  それらしい描写は一切書いていません;

  わかったらそれとなく教えてくれたら嬉しいです。

・直人の昔の彼女・・・の話がありましたが、そんな感動的な話ではないです。

 ただこっぴどくふられただけです。

・和馬はちゃんと彼女と復活することができた。

・アルトの変動。メンバーが変わる予定でいたんですが、

 それを書くことはできませんでした・・・


また機会があったら書かせてください!

ここまでありがとうございました!!

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