生徒紹介(男子校舎)
(今回のお話はフィーナの視点でお送りします)
もうこの学園にきて1ヶ月が経ちます。
この学園にきていろんな事がありました。
それにしても男子ってつくづく馬鹿だなあと思います。
私が赴任したその日に力比べ。
人を見た目で判断するんじゃありません。
結果は私の圧勝。
女だからってなめんじゃないわよって言ったところです。
そうしたら次の日クラスの人たちが私のことを「姉御」って言ってきた。
流石に私はそれを拒否し別のあだ名にするように提案した。
そうしたら次の日には「フィーナちゃん」と言うことに決定されていた。
確かに見た目は幼女かもしれないがいきなりのちゃん付けはないだろうと呆れかえったものだ。
そういえば私が結婚していることを改めて告げるとクラスのみんながビックリしていた。
そして何人かが悔しがっていたようにも見えた。
どうやらこのクラスにはロリコンが何人かいるみたいだ。(私が言うのも何だが)
あ、もちろん冗談ですよ。
私たちは体術が専門教科。
前世でいた世界のあらゆる武術を基本とするものを教えている。
と言っても私は旦那が開発した格闘技をただ教えているだけですが。
だから本当の基本という所は分からない。
とにかく旦那が格闘技マニアでよかったと思っている。
と言っても旦那が格闘技に目覚めたのはこの世界に入ってからですが。
私には特殊能力がある。
それは5感が人より優れていると言うこと。
視覚、聴覚、嗅覚は大げさではなく世界の果てまで感じることが出来ます。
眼鏡を外せば時間を止めることだって可能。
(実際にはほんの少しですが動いています。
超低速社会にになっているだけです)
眼鏡をしたままでも時間の流れを自分だけ変えることが出来ます。
人の数秒間が私の1分ぐらいの間隔に出来るぐらいですが。
だから普段の私でも捕まえることは困難だと思います。
(捕まえられるのは旦那ぐらいです)
そして学校で習ったF=maという公式。
私にとっては大事な公式です。
何せ私は非力です。
普通に力を出しても何のダメージも与えられません。
先ほどの公式は簡単に言うと力は速度に比例するというものです。
(正確には加速度ですがわかりやすく速度という言葉に代えています)
私は時間を操ることが出来るので如何様にも速く出来ます。
その無限のスピードでとてつもない力を発揮できるのです。
ちなみに時間を操ることが出来ると言っても遡行することは出来ません。
あくまでも時間の流れの速さを変えることが出来るぐらいです。
最後にこの学園にきて1ヶ月、気になる生徒を一部紹介したいと思います。
ラニー
いつも明るい子
いつも動き回っているような気がする。
何事にもめげない性格。
多分女の子にもモテるであろうルックス。
そして私に接する態度から察するに限りなくチャラい。
多分将来女の子を泣かす性格になるであろう。
本人に自覚はないが二股三股するタイプだろうなと私は思う。
(私の勝手な意見で必ずそうなるとは限りません)
但し確実に女の子にモテるタイプで優柔不断。
そうならないことを祈るばかりです。
ヘッディー
勉強は恐らくクラス1の実力者。
そのくせ口が悪い。
「そんなことも分からないのか。
これだから凡人は」
と言うのが口癖。
それなのにかなりの世話好き。
クラスの娘とを一番思っている生徒だ。
いわゆる典型的なツンデレ。
クラスのみんなもそれを分かって接している。
私も最初は感じの悪い生徒だと思っていたが今では根が優しい良い子だと思っている。
ただ感情表現が苦手。
そしてなんだかんだ言ってクラスの人たちからは慕われています。
ストーグ、ヒューニー
こいつらは私に最初に突っかかってきた馬鹿。
女だからと言って最初は下に見ていたらしい。
(1時間で価値観を逆転させてやったけど)
そうしたら次の日には「姉御」って言ってきたし本当にうっとい連中。
そして私の実力が分かってきてからも突っかかってくる。
本当にうっとい。
まぁ、自分の体術向上に一番熱心な生徒でもあるから頼もしくもあるけど。
最近では腹を割って話すほど仲が良くなってきたと思う。
最後にウィースト。
この子は一番気がかりの生徒。
なんと言ったってクラスで一番気が弱い。
怖がりでもある。
だから私が最初にきた時はクラスの人たちにいじられていた。
可愛そうなぐらいに。
でも私の授業で本領を発揮。
恐らく体術ではクラスで1番強い。
クラスのみんなが驚いていたほど。
それからいじられることはなくなったけれど自己評価はかなり低い。
「僕なんかがこんなことをしても良いのでしょうか」
が口癖。
クラスの人たちは本気を出すと怖いのを知っているので
「いえいえ、大丈夫ですよ。あなただからやっても良いのですよ」
と互いに遠慮をしている。
もうちょっと腹を割ってはなせば良いのに、と思うほどだ。
それで目下、私だけが話し相手であり相談相手だ。
もうちょっと自信が持てるようになんとかサポートしていきたいと思っている。
クラスのみんなとも打ち解けられるようにいろいろとサポートしている。
とにかく私が思っている事は彼は鍛えれば世界でも指折りの勇者になると思うしその資格はある。
もうちょっと自信を持ってくれれば良いのだが。
以上が私のクラスの生徒です。
もちろんほんの一部ですが。
これからもこの子たちと一緒にこの学園を過ごしていければと思っています。