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上の下  作者: 五石 凪
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日常

学校では気持ちの悪いほどの人たちがいて私にはそれらが試験官様にしか見えないのですが、

これがマトリックスの世界ならいかに楽かなどとくだらぬ事を考えては授業を過ごします。

僕を友達と認識している人はたくさんいても僕には友達と言える人など一人もいないのです。

休み時間になり、僕にすればこの時間が集中を要する時間なのですが、

僕を友達だとみなしてる方々の方に向かいます。

「辻本、来週末から鎌倉に行こうって言ってたんだけど行く?」

とその一人が唐突に言いだしました。

「なんで鎌倉なん?っていうか誰が行くん?」

そう言いながら僕は予定がないのを頭の中で確認してました。

「いや、俺と佐藤だけや。」

「いいよ。」

と内心興奮しながら返事をしました。

僕は一人が好きだなんやと言いながら、世界で一番人間が好きなのかもしれません。

「じゃ、天王寺から夜行バスやから」

「うん、また連絡して」

僕は飯塚を横目で見て目があったのを確認して、教室を出ました。

「ねぇ、聞いて!」

間をあけず「はい!」ととっさに言うふりをして、声のする方を向きました。

「昨日さ、勉強してたらなぁ、香織からメールきて集中できへんかってん!」

飯塚香織とは、僕と付き合っているのかいないのかわからない女の子の名前です。

僕は話が終わる瞬間だけに集中して、その時に大げさに笑いました。

八代を一体なにが嬉しくて僕にその話をしたのだろう。おかしくてもう一度笑いました。

飯塚は自分の名前に反応しこっちを向いてましたから、僕をそっちを向き、

「だってさ」

と話に入りたがっている彼女にうまいこと話をふりました。

ここからは台本に書かれてたかのように、

飯塚が八代とじゃれあって、チャイムがなりました。

僕は微笑みながら次の授業の教科書、ノートが置かれている席に戻り座りました。

飯塚とは付き合っているかいないのかわからないというのも、

きっと向こうも僕に惚れていると思うのですが、

どうしても付き合ってくださいと告白する事が出来ないのです。

毎日携帯越しに何気ない会話をして学校では、

先ほどのように八代越しに何気ない会話をするのが精一杯です。

散歩もいつも彼女から誘ってもらっていて、

夜に二人で散歩するのですが、

僕は常におどおどしてしていて告白どころではありません。

黒板に書かれて行く文字をちょうど川の水をすくっては捨てる動作のようになにも考えず写し書き綺麗なノートを書きあげまして、今日の授業は終わりました。

すぐに荷物をまとめ、八代のいる教室に行き、彼女が出てきて帰ろと言います。

八代は私のいた教室に向かいノートを開き勉強している飯塚にも同じ言葉をかけると、どこかにいってしまいました。

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