僕の平凡な日常
少し開いたカーテンから覗く太陽の光に目がばっちりと覚め、僕は瞼を開けた。
ちゃんとカーテンを閉めていれば良かったと少しの後悔をし、ベットに備え付けられたデジタル式の時計を見て、時間は朝方でいつもより早く起きているのに気付く。まさかこんな時間に起きるとは思わなかった、と少しの驚きを覚え、少しだけ思考が停止する。
止まっていた思考回路が動いた時に、僕はベットから出て、薄い青地のカーテンを開けた。カーテン開けると、窓の向こうの世界は疎らに人が居るのが見える。そのいつもの風景につい笑みを溢し、僕は顔を洗いに行こうとその場を後にした。
洗面所に着き、鏡に映る自分を見る。外国人らしい顔立ち、白に近い金色の髪、青い瞳。色素の薄い髪色だが、それでも顔立ちは典型的な外国人だと分かる。女性に王子顔と持て囃された記憶はあるが、僕は自分の容姿にあまり頓着しない。ナルシストでもない僕は、少し整った顔ということ以外至って平凡な凡人に過ぎないのだから。
──────
与えられた広い家に、僕は一人住んでいる。一人の空間はたまに寂しいと感じたことがあった。それを僕は絵を描いては紛らわせているのが当たり前となっていたのを、二十三になった自分は今でも普通に感じている。
話は変わるが、僕は若き天才と名を馳せた画家・ヴェルナルドに弟子入りをし、画家の卵として今を生きている。偶々家が裕福な金持ちの部類に入り、アトリエ付きの一軒家を僕は親に貰った。余計なお世話だと言いたかったが、ここは喜んで受け取るべきだと考える自分も居たのだ。今じゃ自室やアトリエ、外でひたすら絵を描き、ヴェルナルドを超える画家になるべく僕自身は高い目標を持って絵を描き続けている。
間抜けな音が腹から鳴った。昨日の夕方は風呂に入るまで絵描きに没頭していた為、何も食べていないということを思い出す。簡単な物を作ろうと思い、僕はキッチンに向かった。今日は簡単にオムレツとパン、オニオンスープにサラダにしよう。