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Act1・二つのギルド

久々のフィリス視点です(^∀^)ノ



お昼を済ませてから私はクレンの街案内の続きをしていた。


「――それで、ここが中央広場。街で人が一番集まる所だよ」


「……確かに、人ばっかりだな」


私の説明と目の前の状況を見てクレンがげんなりとした表情をする。


「クレンは人混み苦手なの?」


「どちらかって言うとな。昨日のギルド位の人数なら大丈夫なんだが、これはちょっとな」


確かに、今日は月に二度の市場の日だから普段よりも人が多い。

目線を向ければ到るところに人が歩いていた。商人もいれば家族連れの人達も居る。


「クレンの意外な弱点を見付けちゃったね」


「だからと言って、俺を人の多いところばっかり連れてくなよ?」


「そんな事はしないよ~。日も暮れてきたし、案内する場所はここが最後だしね」


「そうなのか。じゃあ、後は帰るだけだな」


「うん。それじゃあ帰りましょう」


そして、私たちは中央広場に背を向けてギルドへの帰途についた。

と言っても中央広場から南に真っ直ぐ進むだけなんだけどね。


「そういえばクレン」


「なんだ?」


「お金稼ぐ方法、見つかった?」


私の問いかけに隣を歩いているクレンは首を横に振った。


「いいや、全く。ギルドがどういったモノか聞いて、入れそうだったら入りたい。って感じだな」         

「ギルドに?それって冒険者ギルド?商人ギルド?」            私が質問すると、クレンは驚いた顔をした。


「二つもあるのか?てっきり冒険者ギルドだけかと思ったんだが」


「まぁ、元々はギルドって言ったら冒険者ギルド一つだけだったんだけどね。商人達を纏めるために商人ギルドが作られたんだ」


説明しながらクレンを見ると、うんうん頷いている。ちゃんと聞いてくれているみたいだ。


「二つのギルドの共通点は、大陸内の国全てに存在する事と、加入すると貰えるギルドカードがパスポート代わりになるってところかな」


「つまり、国と国の往き来が自由なのか」

「そう言うこと。依頼の内容によっては国境越えちゃう時もあるからね。商人の場合は純粋に輸送をスムーズに行うため。次は、冒険者ギルドの特徴ね」        

「あれ?商人ギルドは?」


「加入してないから細かい所は判らないけど、基本的に全ての商人が加入する義務があるって事と、後、『商法』ってルールがあって、それを破ると法廷機関で裁かれるんだって」


私がそう答えると、クレンは納得したような表情をした。


「成る程な。悪いな、話の邪魔をして。続けてくれ」


私はその言葉に一つ頷き返して、説明を続ける。

クレンは話しをちゃんと聞いてくれるから私としては嬉しい限りである。

何せウチのギルドは話しを聞かない人が多いから……はぁ。


「えっと、冒険者ギルドについてだけど、基本的には街の人や近隣の村から来る依頼をこなすのが主だった仕事だね」


「緊急の依頼とかあるのか?」


「災害時の物資運搬とか救助活動、それに危険度が極めて高い魔物が現れた時に各国から出される依頼がそれに当たるね」


私の返答にクレンは頷いた。

あ、説明し忘れてた事があった。


「そうそう、冒険者ギルドにはランク付け制度があるんだ」


「それって、あれか?上から下まで何段階かに分けて、初心者が無茶な依頼受けないようにするってヤツ」


「知ってるの?」


何でそこだけ?という言葉は飲み込んで置く。

余計な言葉は言わないに限るよね。


「いや、なんとなく予想しただけさ。まさか当たってるとは思ってなかった」


クレンは苦笑いを浮かべながら肩を竦める。

その実、クレンって結構頭良いのかな?


「そうなんだ。まぁ、後の事はギルドの中で話すよ。リンドさんも交えた方が分かりやすいし」


「ああ、助かる」


そうこうしている内に私達はギルドに辿り着いた。


「それじゃ、入ろっか」


「だな」


クレンの返事を聞いてから私はギルドの扉を開いた。



「ただいま~!」



夕日が差し込むギルドに私の声が響いた。





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