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Act2・ガールズトーク

皆様あけましておめでとうございます( ̄∀ ̄)


仕事が忙しく、更新間隔がまちまちですが、エタらないよう頑張ります!


今年もよろしくお願い致しますm(_ _)m


拝啓、皆様。いかがお過ごしでしょうか。

この世界は只今初夏の陽気でとても暖かく、過ごしやすいです。


「それで、その仕立て屋が――」


「なるほど~。あ、私も下町で良さげな――」


「…………」


うん、なんか変なモノローグは止めよう。虚しいだけだ。

小さな円卓に置かれたカップを取り、紅茶を一口。

はあ…美味い。

にしても。


「やっぱり勝負を仕掛けるなら露出高めの方がいいんじゃない?」


「いや、ミュラ姉様ここは露出低めの方が男性を惹き付けられるでしょう?」


「あえて普段通りっていうのもアリじゃないかしら?」


「もしくはいっそ、全て脱ぎ捨てるとか?」


「「「そ れ だ 」」」



「男の前で生々しい会話するの止めてくれませんかねぇ!!」


堪忍袋の緒が切れ、思いきり叫ぶ。さっきから人が大人しくしてりゃ次々と男が聞いていて肩身の狭い話題ばっか話しやがって……


「どうしたの御客人さん?」


「こういう席で叫ぶのは良くないぞ、クレン」


「そうですよ、クレン様」


「王女様達に同意ー」


上から第一王女シーラ王女、第三王女ファルメ、第二王女ミュラ王女、そして最後にフィリス。


「アンタらは……!」


そんな面子の空気読めよみたいな視線を浴びて思わず拳を握った俺は悪くない。

王女達相手にタメ口で話してしまったがそんな事は知らん。


「俺、男だからね!?普通にさらりと女性にしか解らない下ネタは止めてくれよ、いやマジで肩身狭いんだよ!」


「「「「あ、そういえば男だった」」」」


「どういう意味だゴルァ!!」


何だこの人たちの異様なシンクロ具合は。フィリスなんて会ってまだ十分しか経ってないのになんでこんな仲良くなってんだ?

少し叫んでスッキリしたので椅子に座り直す。

女性陣は俺の悲痛なる叫びが届いたのか、話題を変え、俺達について訊いてきた。


「そういえば貴方達はクアリアの街から来たのよね?」


シーラ王女が淡い色合いの金髪を指先で弄びながらそう聞いてくる。


「ええ、そうですが」


「どんな所なのかしら。私達、あまり外に出られないから気になるのよ」



「成る程……ファルメが抜け出したのもソコんとこが原因か」


ちらりとファルメを見ると、気まずそうに視線を反らした。


「父様が過保護過ぎるんだ。外は危険が多いからと言って、城から一歩も出してくれないから…」


「理由はわかったが、そりゃ親心ってヤツだろ。多分、俺が王様と同じ立場だったらそうしてるな」


「クレンまで…」


「つか、ファルメはもう少し自分の容姿を自覚しろよな。美人が夜中に歩くモンじゃないぞ」


俺がそういうとまわりの空気が固まった。

…うん?俺は何か変な事を言っただろうか?

疑問に思って首を傾げるとフィリスが溜め息を吐いた。


「はぁ……クレンはホントさらりと女性をたらしこむよね」


「いや、そんな覚えはないんだが。つか、美人なんて言われなれてるだろ?」


「そうだとしても、だよ。もう、少し自覚しないといつか後ろから刺されるよ。……私に」


「殺人予告!?」


背筋が凍るとはこの事か…戦場で色んな殺気をあてられる事はあったがこんなにも恐怖を感じるのはなかったぞ。

王女達の前じゃなかったら何振り構わず土下座したね。


「ふふ、仲がよろしいのね?」


「いや、今の場面を見てどうしてそう思うんですか…」


シーラ王女、どう見てもこれは女に脅迫される男の図でしょう。

マジで震えてきやがった…。


「ご謙遜なさらないの。なんと言えば良いのかしら、雰囲気でわかるのよ」


そう柔らかな口調で言われ、俺は口をつぐんだ。


「…まあ、そう言われて悪い気はしないですけど」


何だか妙に気恥ずかしくなり、そっぽを向いてそう返事をする。


「ラブラブだなんて、そんな…」


「言ってないからな?シーラ王女は一言もそんな事を言ってないからな!?」

「クレンは私にラブラブじゃないの?」


「うぐっ…いや、そんな事はねぇよ……」


うわぁ…!!な、何言ってんだ俺ぇ!!!

やばい、恥ずい、穴があったら入って生き埋めにされたい位恥ずいぃ…!

フィリスはフィリスで『よし!』とか言いながらはにかんでるし、シーラ王女達は『見せつけますわね~』ってニヤニヤしてるし。

顔が熱くなるのが分かって、それを誤魔化すために紅茶をイッキ飲みする。


「…あっちぃ!?」



失敗した。うん、猫舌なのに何してんだ俺。

思わず涙目になった俺を見ながら笑う王女達とフィリスを見て確信する。


やっぱ女は強いな、と。



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