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僕は鯨

月に恋する鯨


今では陸にいる時間より


海に浮かんでいる時間が多い


数年前までは広く感じた砂浜も


今では窮屈になってしまったから


キティはこの前婚約者を連れてきた


僕ほどではなかったけれど


キティのニ回りも大きな優しそうな男性だった


エディとダンはこの前黒いスーツでやってきた


みんな好きだったマーク先生が


癌で亡くなったと教えてくれた


みんなはみんなの人生を歩き続ける


僕は僕の身体を大きくし続ける


僕は夜の海に浮かびながら


夜空に浮かぶ恋人を見つめる


僕は月の明かりを浴びながら


陸に住むみんなの幸せを祈る


それから水しぶきをあげて


海面を高く高くジャンプする


海に落っこちる音は宇宙からでも聞こえるくらいに大きくて


それからまた風が波を立てる音しかしなくなる


僕は鯨


身体が大きくて地上にはいられない鯨


だけど身体が大きくてよかった と僕は思う


海には友達も家族もいないけど


夜空に浮かぶ恋人を独り占めできるから

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