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むすかり  作者: やきぶたたまこめし
22/30

過ち

一華と再会して話しかけられないまま1日、1週間、1か月、と時間だけが過ぎていった。

私は友達が二人出来た。

「おはよう、奈穂ちゃん!」

「おはよう実和ちゃん、琴葉ちゃん!」

実和ちゃんはショートの髪を丁寧に整えておかっぱのようにしていて、琴葉ちゃんは実和ちゃんより少し長いくらいの髪を後ろで一つに結んでいた。

「今日の授業、体育があるー!」

「ほんとだね!楽しみ!」

クラスの子たちとまんべんなく仲良くする私と比べて、一華はいつも一人でいることが多かった。休み時間や移動教室の時もいつも一人で、私にはなんだか寂しそうに見えた。でも私が話しかけようとしても逃げていってしまうから、ちゃんと話せずにいた。

そんな日常を過ごしていた私に、実和ちゃんと琴葉ちゃんが持ってきた噂。

― 一華ちゃんって小学校の頃、同じクラスの子、いじめてたんだって…!

初めてそんな根も葉もない噂を聞いたときは、信じなかったし、信じようともしなかった。二人を信じていなかったわけではないけど、どうしてもそんなこと、信じられなかった。

でも噂が広がっていくにつれ、クラスメイトの一華へのあたりがきつくなっていった。

実和ちゃんと琴葉ちゃんを中心に、みんなが一華のことを汚い物のような目で見るようになっていく。一華の触ったものは「汚い」と言って触ろうとしなかったり、わざと聞こえるように悪口を言ったり、酷い時は一華の物を壊したりすることもあった。

「奈穂ちゃんも、一華ちゃんのこと、酷いと思うよね?」

「え…。何で…?」

そう二人に聞かれて、強張りながら聞いてみた。

「だって一華ちゃん、小学校の頃同じクラスの子、いじめてたんだよ。そんな子、生きてる価値ないよね!」

一華を見た。

一華の机には、嫌がらせでたくさんのシャーペンの芯が散らばっている。

それを見て、寂しそうに、悲しそうに、笑っている。

私はこの時、本当にバカだった。

「う、うん……。」

一華の今にも壊れそうな笑顔を見て、

(笑っている…、から、別に寂しくないんだ。)

と―

本当は一華が「助けて」と心の中で叫んでいることだって、分かっていたのに。

そう、自分の都合のいいようにしか考えていなかった。

また居場所を失うのが怖い、と言い訳を何度もして…。

このクラスの中で、一華のことを、誰よりも分かってあげられたのに―

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