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むすかり  作者: やきぶたたまこめし
14/30

細くもろい友情

あの日、奈穂と一緒に見た光景、

私にとって、大切な、大切な、宝物になった。

奈穂と一緒なら、この世界で、生きて行けるような気がした。

私は完全に、奈穂のことを信じきっていた、のかもしれない。

でも―



―奈穂は、もうそろそろ、学校に復帰させようと思っています。

奈穂の母親が、かおり先生に話しているのを、聞いた。

すぐ、裏切られた、と思った。

約束したくせに。

奈穂まで私のこと、裏切るんだ。

そう、思った。

悲しさなんて一つも湧かなくて、怒りも、何も、感じなくなっていた。

あぁ、そうか…。

って、ただそれだけだった。

慣れている、からかな―?



     ❀❀



毎日、フリースクールに行くのが、楽しみで仕方なかった。

もし、許してもらえるのなら、ずっとこのままでいたい。

このまま、一華と一緒に毎日フリースクールに行って、ただ、笑っていたい。

でも―

それは、どうやら叶わないみたいだ。



12月15日。

その日は、二人で山に行った次の日の、月曜日だった。

昨日よりももっと寒くなっていて、朝起きて布団から出るのにすごく時間がかかってしまった。

いつもと何一つ、変わらなかった。

いつものように、フリースクールに行って。

いつもと同じように、かおり先生に「おはようございます!」と元気よく挨拶をした。

そして、一華の「おはよう、奈穂!」という声を待つ。

いつもと何一つ、変わらない、はずだった―


でも―、

いつまで待っても、一華は来なかった。

痺れを切らした私は、教室に一人で行くことにした。

そしたら、教室に一華がいて。

私の存在なんて、なかったかのように他の子たちと楽しそうに話していた。

「アハハハ!何それ!」

って笑っていた。

胸の奥がザワザワして、急に怖くなっていった。

もう―、一華とは笑い合えなくなるような気がして、

怖かった。


それから一華は、私が話しかけようとしても、そっぽを向いて逃げていくようになった。

私が近くにいたら、すぐプレイルームに行くか、ほかの友達のところに行くか。

私のことを、分かりやすく避けるようになった。

私は、フリースクールでも、居場所をなくした。

フリースクールも、休むようになった。

フリースクールにも行けなくなると、母に「学校に行け」と言われる回数が多くなった。

毎日、そんな周りの声に一人で耐えて、明日がやって来ることに怯え続けた。

気付けばまた、笑えなくなっていた。




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