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第三話 アークマギロード

 アークマギロード


さて、南に 道が開けたが、すぐに出発とはいかない。

 再度マイルームの屋敷に戻り、確認していないインターフェイスがまだないかを探っていく。

 いろいろと調べてみたが、一番見たいステータスが反応しない。

 他にもフレンドやメッセージも反応しないし、当然のようにログアウトも無理のようだ。

 ストレージ、マップ、マーケットだけでも使用可能だとわかったので、これで満足しておくしかない。


だが、 ステータスが見れないと、魔法や武術、生産などのスキルの状況が分からない。

 しょうがないので、地道に調べて行くしかないか。


 私の職業、アークマギロードは、普通の最上位職よりも、さらに強力とされる特級最上位職で人数限定とされていた。

 具体的に何人までの限定なのかは公開されていなかったが、私以外にアークマギロードを見かけたことがなかったので、本当に人数限定職なのだと思う。

 特長としては、全ての系統の魔法を使いこなすことにある。

 だがこれだけなら、通常の最上位職の一つ、マギロードも該当する。

 アークマギロードは、魔法士系でも使える杖術と槌術以外の武術スキルも使えるし、他の職業の固有スキルも解放されている。

 結局のところ、アークマギロードになると、通常のやり込み要素よりもはるかに多いやり込み要素が追加されるということになるのだ。


 アークマギロードを含む特級最上位職が実装された時、いろいろと特徴などは公開されたが、転職条件までは公開されなかった。

 転職条件が揃っているプレイヤーには、ゲーム内でNPCから転職可能だと教えられるだけで、何度となく掲示板などで、検証もされたが、結局、詳細な転職条件まではわからなかった。

 他の特級最上位職のステータスやスキルの状況を見比べて、おそらくステータスレベルが一定値に到達しており、通常の最上位職に付いていること、さらに全ての生産系スキルのレベルが一定値まで到達していて、貢献度も関わっているのだと予想はされた。


 アークマギロードになった頃の私は、スキルポイントも余っていたので、いくつもの新たなスキルを取得して、スキルレベルを上げまくった。

そうして、そこらの戦士系最上位職よりも戦士らしいアークマギロードへと成長していったのだった。


とりあえず、訓練場に出て、魔法が使えるのかを試してみる。


「ロックバレット!」


魔法名を唱えてみると、さきほどマーケットにMPをチャージした時に感じた、おそらく魔力らしい感覚が全身から指先に動き出した。


おお、魔力が反応している!


指先に集まった魔力は、そのまま石の礫に変わり、発射された。


魔法ってこんな感覚なんだ……。


 それと同時に、全ての土属性の魔法名が頭の中に浮かび上がってきた。

 もしかしたら、全属性の魔法を使ってみると、私の使える魔法が頭の中に思い浮かぶようになるのかもしれない。

 それから、全属性の魔法を使い、記憶にある全ての魔法が使えるようになった。


 魔法名を唱えるだけで発動するのは物騒なので、いろいろと工夫をしていると、魔力は自らの意思で操作ができるようなので、魔力を動かさなければ魔法名を唱えても発動しないらしい。

 さらに、頭に使いたい魔法を思い浮かべながら、魔力を指先に集めると、それだけでも発動はするようだ。


 ネトゲを趣味としていた私は、ファンタジー系のアニメや漫画、小説などもたしなんでおり、それらの情報は、教師としても生徒たちとのコミュニケーションに役立てていた。

 そんな知識から魔法名だけを唱える方法を短縮詠唱、魔法名を唱えずに使う方法を無詠唱と呼ぶことにした。


 うーん、魔法は全て使えるらしい。

 剣術はどうだろう。

 愛用している魔剣デモニアを取り出す。

 この魔剣は、魔法の威力を上げる性能があり、戦士系でも魔法を使う職業はあったので、その系統のプレイヤーたちが喉から手が出るほどに欲しがっていた逸品だ。

 通常の魔法士系では、装備が出来ないので、これを持っていると戦士系だとよく勘違いされた。


 軽く振ってみると、違和感がないどころか、体が妙に軽く感じる。

これがユウナのスペックと言うことなのだろう。


 ゲームモーションであった演舞をなぞって体を動かしてみる。

 演舞の動作をユウナの体が覚えているのか、すんなりと動いていく。

 演舞は、静かな動きから始まって、徐々に激しい動きになり、再び静かな動きになって問題なく舞い終えた。

 体はスムーズに動くので、そのままいくつかの演舞を続けて行き、本来の私の感覚とユウナの感覚の誤差を埋めて行った。


覚えている演舞のモーションを一通り終え、少しはユウナの体に慣れたが、本格的に打ち合うにはこれでは物足りない。

移動をしたなら戦うこともあるだろうから、その時は魔法を主体に使っていこう。


 生産系スキルも検証するために、屋敷にある工房に入る。

一番簡単な生産系と言うと採取系になるのだが、現実世界の感覚のあるこの夢の中で採取をしても実感がわかない可能性がある。

そこで、錬金術を試してみる。

錬金術と言うのは、スキル名の名称で、いろいろな魔法があり、錬金属性魔法とも言えるのだが、ゲーム内では錬金術とされていた。


まずは、どこでも採取可能なヤクソウと言う名の薬草を一つ取り出し、すり鉢の中に入れる。

次に、ビーカーに無属性魔法にあるウォーターで魔力水を適量になるまで注ぐ。

この無属性魔法は、無属性と言うだけあって、職業に関係なく習得が出来る魔法属性で、生産魔法やら生活魔法やらと呼ばれたりもしていた。

さらに、錬金鍋を用意して、準備完了となった。


さて、どうやって錬金術を使うんだろう?


しばらく考え込んでいると、何となくわかったので、ビーカーとすり鉢に錬金鍋が載せられた机に向かって、魔法名を唱えてみる。


「アルケミー!」


机の上が光だし、ビンに入ったポーションが完成していた。


うん、意味が解らない。

すり鉢でヤクソウをすりつぶし、ビーカーの中の魔力吸いとあわせて、錬金鍋で煮込み、それを冷やしたのだと思う。

それを錬金術で、ショートカットしたのは何となくわかる。

だが、ビンはどこから出てきた!


考えても無駄なので、名称を知るためにストレージに入れてみる。


練習用ヒールポーションと名前がストレージ内にあることが確認できた。

再び練習用ヒールポーションを出して、飲んでみる。

味は、美味しくはないが、飲めないほどでもない。

真水に、青汁を少し混ぜたような味で、こんなところだと思う。


他の生産系スキルも調べるべきだと思うが、錬金術が問題なくできたのだから、他も大丈夫だろう。


工房から出て、個人倉庫に行き、今から装備するアイテムたちを取り出していく。


 うん、これで良し。


 ソフトアーマーの上から黒いデモンコートを身に着け、アクセサリーは、バランス型から、防御型に変更した。

 魔剣デモニアやデモンコートは、悪魔系装備と呼ばれているのだが、素材に悪魔が使われているだけで、呪いなどはない。

 ちなみに、悪魔は猿っぽい姿をしている。

 悪魔系装備の特長は、魔法との相性が良いので、魔剣デモニア以外は、魔法士系に重宝されていた。

 一応、アクセサリーを防御型に変えたのは、この地がどういう場所なのかわからないので、念のためだ。


 ソフトアーマーは全身装備なので、グローブやブーツもある。

 頭はヘルメットなので、そこだけは外して、守護の髪飾りを使いヘルメットのかわりにする。

 その他にも守護セットと呼ばれていた守護のネックレス、守護のブレスレット、守護のアンクレットを装備してある。

これらの守護セットは、危険が迫った場合、自動的に体に合わせて結界を張ってくれるので、重宝していた。

バイクーガが転んだとしても、守護セットの効果が発揮されることを信じてこれを使うことに決めた。


 武器は、魔導王の杖から、さきほど使っていた魔剣デモニアに変えてある。


 夢の中だからか、アクセサリーは、幾つ付けても問題なさそうだが、一応ゲーム内での個数制限内に合わせて、装備をしておいた。


 さて、準備はできた。

外に出よう!


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