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一章7『side桃Ⅲ』

それから暫くの間彼は私の手を引き走り続けている。正直少し疲れてきてしまい、息も途切れ途切れに荒くなってきてしまった。私は「ちょっ、ちょっと止まってよ」と言うと彼は「つい、ごめんね」と……とってもカッコよくて、胸がキュンとして……私は頬が赤くなっていることに気付いた。


走ったから頬を赤くしていると勘違いして…と願いつつ、私は冷静を装って「あの先程は助けて頂きありがとうございました。あの私はさっきのところに戻らなければならないので……これで失礼します」と一言だけ言った。


私は一呼吸おいてから話している途中、あの大外れの秀麻とか言う男の事を思い出してしまっていた。本当に嫌な気持ちになり、そのままほったらかしにしたくなるのだが、最近は評価の降下が顕著に現れていてこれ以上落ちるのは非常にマズい。私はその場を立ち去った……しかし私は立ち去ることが出来なかった。彼に腕を掴まれていたからだ。


(えっなんで私は…えっ?)唐突のことで非常に驚き、「にゃんで」と言ってしまった。恥ずかしい……


イケメンな彼は「何故ですか?桃さん貴女は今俺の彼女なんだから横に立ってて貰わないと困るんだ」と今日一のイケボで言ってきた。その辺の俳優よりもカッコいい……多分私は人様に見せられないような阿保顔を晒していたに違いない。


とここで私は肝心なことに気がついた。彼は『今は俺の彼女なんだから』と言っていた。普通ならこんなことは言わないし、何よりもあの大外れな男、秀麻と同じ服装をしている……私は居た堪れずに少し俯いた彼の顔を覗き込みつつ「えっと……もしかして秀麻さんですか?」と困惑した様子で尋ねてみた。


「えっそうですが……」


それは質問を肯定する返事だった。まさかあの秀麻さんがこんなイケメンだったなんて……


「嘘!?本当に……無茶無茶イケメン……秀麻君カッコいい」


最後つい秀麻君カッコいいと言ってしまった…恥ずかし過ぎるよ…///


秀麻君は不安げな表情を浮かべていた。私はそんな表情をさせてしまい焦り「今の秀麻君とってもカッコいいよ!」と早口に発してしまった……ダメ恥ずかしくて立っていられない……


秀麻君はそれでも何も発しない、私はどうしても不安で、精一杯の上目遣いで「今日は精一杯楽しみましょうね?」と言って見ると、秀麻君は数秒経ってから「ハイ」とひと言カタコトだったけど返事をしてくれた。

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