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一章 6『side桃II』

程なくして、私達はショッピングモールに着いた。ショッピングモールは休日ということも相まって未だ午前中にも関わらず人で溢れている。子供の泣く声に、あから様に疲れた様子でベンチに横たわる男……買い物に置いていかれる男とか物凄くダサくない?ダサいよね?


程なくして、私達はエレベーターの近く迄来ていた。トイレに行きたいと言う訳ではなくて、私をレンタルした男、秀麻がボサボサの髪を整えたいらしいのだ。正直ブスが幾ら容姿を整えようがブサイクはブサイクなのだ。


「桃さん、少し容姿を整えてくるから、トイレ前のソファーで座って待っていてもらえる?」


「うん!分かったよ〜」


私は高評価を取るためだけに少しだけ高いトーンを出して返事をした。(後五時間は少なくとも拘束か……)そんなことを心に潜ませ、設置されていた休憩所のソファーに座り、林檎のマークの付いたスマホを触った。


其れから程なくして私がスマホの画面から目を上げると、チャラい男共が私を取り囲むように立っていた。


「へへっ、姉ちゃん一人かい?俺達と遊ばね?姉ちゃんは動かなくても俺達が動くからよ。絶対気持ち良くしてやるから」


私は逃げ出そうとしたのにも関わらず、足が竦んで動かなかった。


あの秀麻というブサイクな男でも良い、誰でも良いから助けて欲しい。そんな思いを込めて「辞めてください!彼と来ているんです!」と私はいつもよりも小さい声ながら叫んだ。


私の声が届いたのか一人のイケメンが駆け寄って来た。とってもカッコいい。私と一緒に撮影する俳優の人よりもカッコ良かった。


イケメンが駆け寄るのと同時に「桃さんっ!!」という声も聞こえた。あの男が私の様子に気づいたのだろう。でも私はこのままこのイケメンに助けて貰いたいと思ってしまった。


イケメンはそのまま側に寄ると私の手を握った。

そうするとチャラい男共は「おいてめぇ何邪魔しやがる!」と怒鳴ってきた。私は恐怖で震えてしまった。


イケメンは震える私を気遣ってか、私を勢いよくを引き寄せた。


それと同時に思わず「きゃっ」という可愛らしい声が漏れてしまった。私は直ぐに頬が真っ赤に染まっているのに気がついた。


イケメンは私を更に引き寄せ、肩が触れ合い、イケメンの腕は私の肩を抱いた。


「俺の連れに何か用がありました?」


とってもカッコいい。私を助ける為に彼氏の役をかって出て、もう彼の顔しか私は見えなかった。


気がつくとチャラい男は腕を振り上げ、「てめぇ顔が良いからって調子にのるなぁぁぁあ」という声の元イケメンに殴りかかっていた。


思わず目を閉じて彼にしがみついた。数秒経って目を開くと、チャラい男が地面に叩きつけられそして「うぇっ」と短く声を出して気絶していた。


彼が投げ飛ばした事に気がつき、そして彼の顔を見惚れているとイケメンは私の腕を持ってその場を後にするのだった。


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