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一章4『桃さんは色気がある』

桃さんの息遣いが荒くなり、「ちょっ、ちょっと止まってよ」との声がして、俺は正気に戻り立ち止まり、「つい、ごめんね」と謝っておいた。流石に走らせ過ぎたな……


桃さんは走ったからか、頬を赤く染めながら、「あの先程は助けて頂きありがとうございました。あの私はさっきのところに戻らなければならないので……これで失礼します」と一言だけ言って立ち去ろうとした。


思わず俺は桃さんの腕を掴んでしまった。流石に恥ずかしい行いである。セクハラで監獄行きだって十分に考えられる行いだ。ただその場の勢いで俺は「何故ですか?桃さん貴女は今俺の彼女なんだから横に立ってて貰わないと困るんだ」と惜し気もなく恥ずかしい言葉を発してしまった。


百パーセント通報されて監獄行き、俺は「今日一條財閥の御曹司の一条秀麻(17歳)が強制猥褻罪で逮捕されました」とでもニュースに乗るのだろうかと、一人自問自答していた。


因みにこのデート後帰宅してから二、三時間以上この恥ずかしい行いに顔を真っ赤にして何も手に付かなかったのは言うまでもない。


俺の言葉を聞いた桃さんはとても驚いた様子で、少し俯いた俺の顔を覗き込みつつ「えっと……もしかして秀麻さんですか?」と困惑した様子で尋ねてきた。


「えっそうですが……」


「嘘!?本当に……無茶無茶イケメン……秀麻君カッコいい」


最後何を言っていたのかはよく聞き取れなかったが、「嘘」と言われるというということは余りにも髪型が似合っていなかったのだろうか……少しだけ悲しい気持ちになってしまった。しかしながらそれは仕方ないとは思う。幾らプロが良く髪を整えたとしても、素の顔面偏差値が低くければイタイだけだろう。ましてや素人が髪を整えたのだ、髪型が似合っていないのも仕方がないで済まされることだとは思う。


ただ俺はもう少しだけイケメンに生まれたかったとは内心思うのであった。

※秀麻はイケメン、自己肯定感が極端に低いだけなのだ。


不安げな表情を見た為か、桃さんは焦った様子で「今の秀麻君とってもカッコいいよ!」と早口に発した……あれ?今俺への敬称違くなかったくなかった?


あんまり焦ってフォローされると嘘っぽくて……というよりも俺がカッコいい訳がないのだから、大人しくフォローされておくとするか…というもののデートってこれ程にも緊張するものであっただろうか?

桃さんは俺が何も発しないのを不安視したのか、上目遣いで「今日は精一杯楽しみましょうね?」と、その時の桃さんのたわわに実った果実がより強調され、頬は薄らと赤くなり容姿以上の色気を醸し出していた。そんな桃さんをみて俺は「ハイ」としかしか答えようがなかった。


それにしてもそのまるで計算され尽くしたかの様な上目遣いは反則ではないですかね。

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