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サマータイム・ワンダラー  作者: 名無きの月
3/3

現代に生きる「魔術師」


光に飲み込まれた先で、私の目に映ったのは、、、


「……ね…猫…?」


私の胸の上に乗ってじっと私の顔を凝視してくる、この黒猫とダークオークの少し古びた天井だった。


私が寝かされていた古ぼけた鉄脚のベッドから体を起こすと、その猫は焦げ茶色の床板に着地するや否や、突然、古めかしいストーブの裏に隠れてしまった。


すると直ぐに、


「こら、九泉!お前という奴は……」


と少し怒ったような女性の声が段々と近づいてきて、怖さと驚きとが混ざって、うっかり


「あっ…」


と声を漏らしてしまったが、閉ざされた扉から出てきたのは、白く川の清流のように美しく流れる総白髪に、まるで魔法使いのようなファンタジーな帽子を被った女性だった。その姿は若く、23歳で死んでしまった私と大差のない様に見受けられた。


「──おや?お目覚めの様かな?」


ゆったりと落ち着いた物腰でその女性は私に声を掛けてきた。

驚いた様子の私を見ると、彼女は声を続けて、


「信じられない、というのも無理も無い。」


と言葉を繋ぎ、こう言う。


「───自己紹介をしなければな。」


その女性は咳払いをすると、


「私の名前は御環みたま 白泉はくせん。」


と、キラキラネーム顔負けの希少度高めの氏名を名乗り、


「──魔術師をやっている者だ。」


信じ難い言葉と共に笑みを浮かべてみせた。

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