終えた先は
「ねえ!」
夏が終わり、木の葉が紅く染まり行く季節のお昼寝タイムというのは何て素晴らしいのだろうか
誰にも邪魔することは出来ず、干渉もしてこない。孤独とかいて楽園と読む。
別に友達がいない根暗ボッチではないんだからね!
「さっきから話聞いてる凪!」
そうこいつ以外は…こいつは保育園の時からの腐れ縁であるユキ。
なにかと構ってほしいのか、構いたがりなのか事あるごとに俺のところに来る幼馴染み。
「ちゃんと聞いてるよ、それで今日の星占いでは地球人よりも○メック星人の方が運勢がいいって事だろう?」
「ナ○ック星人って触覚が蛞蝓みたいだから気持ち悪い。緑だし…
どちらかというと界○様の方が好きだなーってそんな話してないの!
本当いい加減にしないと怒るよ!」
○王様はゴキブリみたいだから、俺としてはブルマさんのブルマになりたい」
「うわ、きもっ」
おぉっと声に出ていt…
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「最初だからこれくらいかな。
もっとクエストクリアして行ってくれたら、記憶は勿論。“肉体”だって手に入るだろうね
さあ、ここを抜けたら深緑の丘。あの種族たちが待っているかもね」
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「あれ?マスターどうしたのですか?
ちゃんと話聞いてましたか?」
スライムの調子が元に戻る、創造主がスライムの身体から消えたのだろう。
それよりもだ、なんだあのラブコメてっきり俺の記憶かと思ったのに内容は龍玉じゃねぇか!俺に何の関係があるって言うんだ!
「マスター!話を聞けよ!」
視界暗転
腹部激痛
どうやらスライムに殴られたらしい。そしてそのまま前のめりで倒れてノックアウト
結局そのまま目を覚ますことなく、創造主から貰ったらしい夜営道具を用いて本日の攻略はおしまい。
「マスター、目を覚ましたのならご飯にしようか
この道具や今後について話し合わなくてはいけないからね」
せめて、顔や表情が…いや有色が先か?
なぜこんな化け物と異世界攻略せにゃならんのだ
ってか無駄に女子力が高いスライムだな
「おーけい。俺だって聞きたいこと、言いたいことが一杯あるからな」
取り敢えず、飯が先だな
察してくれたのかスライムが夕食をよそってくれる
あれから意識も記憶もないが辺りは既に夜のとばりが落ちていた。
今晩のメニューは何かの煮付けと、何かの肉を使用したなぜ白いのかわからないシチューのようなもの
テントの裏には中身の無い、空っぽの蛹を見た瞬間考えるのをやめた。