第4項-赤黒いそれは幻想か
カキンッ。
鳴り響く金属音が心地よい。
再び距離を置く。すると、突然相手はすっころび、体制を崩した。
その瞬間を見逃さなかった。
はあぁ!と勢いをつけ剣を突き立てる。
一撃目は弾かれるも二撃目を加える。
剣は首を貫き、して、首が吹っ飛んだ。
血が延々と流れ吹っ飛んだ首と共に彷徨う。
不思議にロウソクの火が次々と消える。
程なくして、首だけモゾモゾと動き出した。
足に駆け寄り、コツンと靴を叩いて逃げていった。
目を向けて気が付けば、来た門は開いていた。
追いかければ何かあると思い追いかけることにした。
首は門を超えてどんどん遠くへ
階段が続いていた。
カタカタと言う硬い床の足音が響く。
首が振り返ってくる様子は、何やら着いてきているのか確認しているようだ。
首が階段を必死に駆け上がる姿は些かなものだった。
どれくらい上っただろうか?階段の最上段に辿り着いた。
先はバルコニーだった。
そこに広がっていた光景は目にも見えたりない残酷に黒光りする太陽が浮かび上がっていた。
バルコニーの縁に手を当てると冷たい感触が伝わってきた。
どうやらここは大きな館で周辺は海に囲われているようだ。
より一層、なんでこんなところにいるのか、考えさせられた。
そう言えばあの首はどこに行った?辺りを見回しても何も見えない。
どうしたのもかと、考えながらバルコニー歩いて反対側を目指した。
そこには、篝火が焚いてあり、薪が横に綺麗に並べられている。
しかし、格子が掛かっていて先に進めそうにない。
篝火の先は、なにやらにぎわっていた。
どうにかして進むことができないだろうか?
しばし考えていたが、不意に背後に気配を感じた。
振り返ってみると鬼のような形相をし、こちらをにらむかの首がいた。
首はまた別のところに走り去っていった。
再び追いかけてみたものの、またしても見失ってしまった。
外に出られそうな門からはどのくらい離れたのだろうか?
それより引っかかるのが、なぜあんな怖い顔をしてこちらをにらんでいたのだろうか?
思い出すだけでも恐ろしい。
見失ってから先ほどの篝火に戻ろうと歩いていた。
鎧の音を響かせながら、来た道を歩いていたのだが、どうにも篝火を見つけることができない。・
進んでも、進んでも必ず壁にぶち当たる。
道を間違えたかと、引き返してみても篝火にたどり着けない。
どうやって進もうか・・・・。