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夢のつづき  作者: yatto
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あれ? 次の夢は・・・

『パパ、買い物にいくよ』

『海にも早く入りたいね』

買い物?、海?、幸太郎の頭は混乱した。軌道に乗り始めた店に全力を注ぎたい気持ちで一杯だった。夢かあ、波の音でハワイに来ていることを思い出した。ようやく気分を切り替えて幸太郎も買い物を楽しむことにした。日本でも浮かない地味なアロハシャツとTシャツを選んだ。それをはるかに上回る家族の買い物でホテルまでのタクシーのトランクはいっぱい。 その晩は一家でフラダンスを鑑賞しながらステーキを堪能した。麗子と舞がフラダンスに飛び入り参加してとても楽しそうだった。あまりの心地よさに幸太郎はビールが進んで眠くなってしまった。


ついに待ちにまったネイビーブルーの911が納車された。一台目はこれに決めていた。小学生時代にスーパーカーブームだった幸太郎は名車たちの面影をわすれることなく四十才台まですごしてきた。体の一部だったのかもしれない。しかし経済的にそんな贅沢品は手に入る人は少ないのはあたりまえで幸太郎も同様だった。どうしたら所有できるか? 借りるだけでも、などとずっと考えていた。幸太郎が自宅近くを十分程911で流して帰宅すると電話が鳴った。

『あのう一日おかりしたいのですが』

『ありがとうございます。駅まで伺います。』

ついに記念すべき初めてのお客様だった。会ってみると幸太郎と同世代だ。免許確認をすると同い年だった。

『素敵な車ですね』

『私の永遠の憧れなんですよ』

幸太郎は本音で語りかけた。相手はしみじみとうなずいた。同じ価値観を持つ者どうしのわかりあえる時間が流れた。

『では返却の時にここで』

車はおごそかに走り出した。

その後も順調に予約が入るようになりもう一台増やすことにした。二台目の納車は珍しく朝早い時間だった。幸太郎が自宅前で待っていると足元をすくわれそうなほど車高が低い車が這ってきた。幸太郎の眠気は一瞬で吹き飛んだ。

『ネイビーのエスプリなんて通ですね』

店の担当者はそう言ってkey を幸太郎に渡して帰った。早速乗ってみると地を這う迫力に圧倒され、頭だけ残して走り去ったような感覚だった。ネット店舗の車リストにエスプリを追加してシャワーから出てくるともう電話がなりはじめた。

『あの~エスプリ乗ってみたかったんですよね。予約できますか?』

『明日ですね、大丈夫ですよ』

幸太郎が考えたレンタルスーパーカー事業は好調な滑り出しとなった。所有するのは大変だけど一度は乗ってみたい人の夢を叶える素敵な発想だ。


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