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夢のつづき  作者: yatto
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おいしい飲み物を飲みながら・・・

この作品を開いていただきありがとうございます。この作品はストレスの多い現代社会を生きる大人に読んでほしい「おとなの絵本」です。ハワイアンでも聞きながら好きな飲物を飲みながら読んでいただきたいです。お飲物の準備ができましたらどうぞ一読くださいませ。

ついにきたハワイの休日、うまかった朝食のパンケーキにかけたメープルシロップの余韻にひたりながら午前のさわやかな風に吹かれて浜辺をあるく。

『こうちゃん この辺でいいんじゃない』

『そうだね』

広いベンチシートに子供達と寝転がった。ちょうどよくやしの木が木陰をつくり最高にここちよかった。勇太と舞が場所を争っているのも気にならないくらいに。ふりむくと妻の麗子も目をつぶっていた。幸太郎も目をとじて波の音に耳を傾けた。二十年のサラリーマン生活は楽しかったし仕事は好きだったがここ一年はかなりきつかったなどと思いながら。ほんとはこんな仕事もしてみたかったんだよななんて思い出しているうちに眠ってしまった。ここは夢の中か?。


今日の開店準備に抜けはないか幸太郎は麗子と入念にチェックしている。

『スープがなかなかいい感じに仕上がってきたな。これならお客さんに喜んでもらえるだろ』

『どれどれ』

麗子の味見はいつも厳しい。

『あっいいね』

めずらしく合格だった。

『キーマも完了だし店あけるか』

幸太郎はOPEN看板を立てた。二人ともドキドキしながら初めてのお客様を待った。味、店の雰囲気には自信があるし立地は避暑地の駅前で冬以外の営業という最高の条件だ。店の中から通りが見えないので幸太郎は横の小窓をあけて覗いた。この小窓も幸太郎のこだわりだ。

『お客さんいるんだけどなあ、ながめて通りすぎるねえ。あ、匂いか?』

幸太郎は換気扇を回した。幸太郎はなかなかの食道楽で普段外食するときも店の換気扇から出る匂いを嗅いでから店を選ぶ癖があって、これははずさないのである。スープのいい香りが通りを散歩しはじめた。

『こんなとこに店あったっけ』

『へーできたんだね』

『俺ラーメンがいいな』

『俺カレーって気分だな。中でつながってたりして』

『まさか~、あ~でも』

『いらっしゃいませ~』

『うわ、つながってる』

『ほんとだ』

『めずらしい店ですね』

『おもしろいでしょ』

幸太郎は初めての客と会話するのがとても嬉しかった。

『じゃあほうれん草ラーメン中盛かためで』

『はい、ほうれん草中盛かためありがとうございます!』

『じゃあ僕キーマ大盛辛さ5で』

『はい、キーマ大盛辛さ5ありがとうございます』

幸太郎が大衆メニューで好きなのはラーメンとカレーだった。店を出すならロスが出にくい単品メニューが軌道に乗りやすいと思っていた。ラーメンとカレーのどちらにしようか悩んだ末、厨房を共通にして両方やることにした。店の大きさは1軒分でも半分はラーメン屋、半分はカレー屋になっていて中でつながっている。ラーメン屋でカレーを注文することもできる。幸太郎が考えた最強のビジネスモデルだ。

『3日目で利益が出るとは思わなかったなあ』

幸太郎はレジを締めながら麗子に言った。


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