呪いの武器
「全く、こんな時間まで働かせやがって」
夜空を走るのはサンタだけではなく、この私あの世の宅配業者も荷物を運ぶため、夜馬と言う空飛ぶ馬を使い夜を走っているのであった。
危険物 取扱注意 と書かれた大きい箱がある
上司から認めてもらったのか?こんな物を運ぶのは始めてだが、
やっと信頼されたのだと慎重に運んでいた、だが、箱の中が騒がしいのが気になる。
グラッと乗り物が何か揺れ動いたかと思うと、危険物の荷物から、何かが出てきた。それは赤い光に包まれて下界に落ちた。
「あっ…………ヤバい。」
夜馬を停め、箱の中を確かめると、中には邪悪にみち、自らも心が汚れていく感覚に落ちる赤く染まった拳銃達であった。
使えなくなった拳銃の魂が浄化されずに、化け物になってしまってるらしい。
「まっ下界に落ちた所で、あれは普通の人間には見れないから扱われることはないだろう、」
ばれないばれないと夜馬を動かし出したのだ。
私は、人が嫌いだ。人は私を殴るからだ。どんなに友達が出来てもそいつらは裏切っていく。
あの日もだ、友達に呼ばれてついて行ったら、廃屋でそこには、十人ほどのヤンキーがたむろしていて、「今日のサンドバッグは誰かな」と僕を捕まえて、グループのリーダの前に出されて、腹を何度何度も殴られた。気を失いそうになると、ドラム缶に溜まっている水に顔をつけられ、起こされた。
(死にたい)
口に出せないほど殴られたが、もう死にたくて仕方がない。
「ペッ…………つまんねぇな、もう少し反抗しないと面白くないじゃん」
周りの奴等に大声でいい、私を蹴った。あまりに強かったのか一メートルほど転がり、気がついたら目の前に赤い光に包まれた不思議な銃があった。
私は、脅しの為に銃を拾い奴に向けた。
「なんだお前、手なんか向けてなめてるのかな?」
リーダーは「その手やめろ、イラつくんだよ」私の目の前まで来る。怖くなり引き金をひいた。
ダァ―――――――――――――ン
煙が銃口から出ていた。私の目の前にたったまま動かないリーダーの姿があった。
だが、周りの彼らは何が起きたか分からず、リーダーに近寄り「大丈夫か」と声をかけ、肩を叩くリーダーは静かに床に倒れた。
「お前、なっ何しやがった。」
奴等には、銃の姿が見えないらしい。彼らがオドオドしているところを銃で撃ちまくった。
何人かは逃げたが、大概は殺せた。
私はそれから、気にくわなくなった人間を殺しまくった。
だがだ、狙う奴でも、嫌いと意識したものしか使えず、周りの通行人に向けても死なない。
ある日のこと、私の銃を返せと言ってくる人物が現れたらた。その男は、黒の背広を着たせの高い男であった。
男が、私を押さえつけようとしたので、男に銃を向けて撃ったが、うまく当たらない。彼も銃の姿が見えてるようだ。
私がやっとのこと、嫌いな者達の復讐ができるのだ、渡してたまるか、その時だ、私の銃口が彼の姿をとらえた。気づかれないよう慎重に向けて、狙いを定めた今だ。
ダァ――――――――ン
私の前にあったのは私であった。私を写し出したのは鏡…………その中の私の首筋には真っ赤な血がついていた。自分の首を手で触ったとき、自分が自分を撃ったことに気づいた。
「何で………何で私が死ぬんだ…………」
「お前が一番嫌っていたのが自分だからさ、貴様は鏡に反射した私を狙って撃った。だから、私もそこに見える貴様が撃つ瞬間に鏡を動かしたと言うわけさ」
「まっまじか………」
首から流れた血は止まることなく、彼の命を奪った。
「何とか取り戻したが、まさか箱から出てしまうとは、」
「申し訳ありません、うちの社員がへまやらかして」
「いえいえ、私も綺麗に封印をするのを忘れてたのも原因ですから、それに戻ってきましたし」
男は、宅配業者に注意だけして、自分にも非があったことを認めて帰っていった。
完