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竜の心臓移植 (旧題 ある竜の転生)  作者: こげら
五章 ある少女の解放
76/92

<ろ>


 朝の散歩のついでに牛乳を買いに行くというミッションをすっかり忘れ、自宅に引き返し、シャワーを浴びてから一息吐いた。


 八時を過ぎてようやく起き出してきた縁と朝食を取り、そうして普段と変わらない一日が今日も始まった。


 午前九時半頃。クラスメイトの伏見空から一本の電話があった。異様に歯切れの悪いやり取りから始まり、明らかに本題とは関係のない無駄話をさせられたが、要するに、今日の予定はキャンセルだから宜しく、ということだった。


 正直、朝の一件があって、少なからず精神的に落ち込んでいた僕としては、彼女との他愛のない会話は救いだった。


 「お主は電話越しでも全力じゃのう」


 まだ午前中だと言うのに、我が家のドラゴンさんはフローリングにうつ伏せになって、足をぱたぱた運動させながら、僕所蔵の漫画を読み耽っている。


 全力と言うのは、多分、伏見の戯言に対して、携帯をベッドに投げつけるという我ながらオーバーなツッコミを慣行したことを指して言っているのだろう。


 「お前も、全力とは言わずとも、少しはやる気を出したらどうだ? 高名なるお前の、本領のほんの一億分の一でも実力を発揮すれば、この世はもう少し平和になるかもしれないってのに、ここのところ、ちょっと怠け過ぎだぜ。縁さんや」


 「世界平和? そんなものはアメリカだか国連だかに任せておけば良い。私は奴らが世界平和にかまけておる間に、この漫画を全巻読破する」


 「極めて政治的且つ怠慢な発言だな……」


 「ん? 具体的な国名を出すのはまずかったかの。では言い直そう。世界平和など『抑止力』に任せておれば良い」


 「政治色が強まった!!」


 ――具体的な固有名詞を避けたはずなのに! 僕じゃ対処しきれねーよ、そんなダークでヘビーなジョーク!


 「ったく、贅沢な生活しやがって。どっかの国の王様か、お前は。王様なら国際社会の秩序のために働けよ」


 「いや、私、ただの竜じゃもん。王様違うもん」


 縁はこちらを見もせず言った。


 「もん、って! たかだか漫画を読むことのためだけに、自分のキャラを崩すなよ! 竜であることにもっと誇りを持ってたじゃん! お前って!」


 「良いではないかあ。夏休みくらい。時にはドラゴンにも休みが必要なのじゃ」


 「駄々をこねる小学生みたいなことを言うな。それは常日頃学業やら労働やらに励んでいる人間だけに吐くことが許された台詞だ。毎日が夏休みのお前が使って良い台詞じゃない」


 「何じゃ、小うるさいのう。ほれ、ではお主も試してみれば良かろう? 私という超高性能空調システムによって完璧に管理された快適なこの部屋の、それも最も居心地の良いこの窓際で、一度だらけてみるが良い」


 と、自虐だか自慢だか分からないことを言いながら、縁はようやく起き上がり、その場に胡坐をかいて僕の分の場所を作った。


 「そ、そうかい? まあ、そこまで言うんなら、仕方がない」


 そうまでされては、諸悪の根源たる居心地の良さを、この部屋の主として確かめねばなるまい。勿論、悪の禍根を断つための敵情視察なのである。断じて、確かに気持ちが良さそうだなあ、と思ったからではない。


 僕は窓辺の陽だまりの中に寝ころんだ。


 そうして仰向けになり、無防備になった僕の腹の上に、縁は頭を乗せ、読書を再開するのだった。


 「おい。何してんだ」


 「枕」


 ――いや、枕にされているのは僕の方。


 「おぉー、これは中々快適じゃ。いや、これを以ってこの空間は完成されたと言っても過言ではないの! お腹の柔らかさが絶妙に気持ち良い。気持ち良すぎて、漫画を読むという崇高な使命さえも放棄したくなってきたわい」


 ふぇ~、とか何とか意味の分からない、いや意味のない声を出しながら、縁は恍惚の表情を浮かべた。


 「……」


 その表情があまりにも幸福感に満ちていて、文句を言う気持ちも起きなかった。


 仕方がないので僕は手を組んで頭の下に敷いた。


 ――まあ、今日はこのままだらだら過ごしても……。


 「……お前、今日もそうやって、無為徒食に過ごすつもりなのか?」


 「無為徒食!? 為す事無くいたずらに食うと書いて無為徒食!?」


 「無為徒食と言うか、暴飲暴食と言うか」


 控えめに言ってどっちもだった。


 「酷い言われようじゃの。この家の家計が、私の尽力によって支えられているということを、お主は忘れたのか?」


 「それを言われると、返す言葉もないんだけどな……」


 精霊術使いのドラゴン様がいることによって、夏場のクーラー代は勿論の事、水道代、光熱費等々が目に見えて節約されていることは揺るぎようのない事実である。我が家の家計は、彼女の操る摩訶不思議な超常現象、精霊術によって救われていると言っても、決して大袈裟ではない。


 「いや、しかし。お前の分の食費を考えると、どっこいどっこいと言うか、結構プラマイゼロと言うか、微妙にマイナスなんだよな」


 ――こいつ最近は遠慮がなくなったのか、益々大量に食べるようになったし……。


 「おいおいおいお主よ。それは家事労働を計算に入れなかった場合の話じゃろう? お主がいない間、誰が洗濯をしたり、掃除をしたりしていると思っておるんじゃ」


 「いや、だからそれも、夏休みに入ってからはほとんど僕がやってんじゃん」


 「じゃから、主婦にも休みが必要だと言っておろう。家事労働も立派な労働じゃ。全国の専業主婦の皆さんが私の味方じゃ」


 ――とうとう主婦になっちゃったよ。ただの竜から、ただの主婦にまでなっちゃったよ。


 「馬鹿を言うな。全国の専業主婦の皆さんは、もっと過酷な労働を強いられているよ。厚生労働省だかの視察が入れば、確実に労働基準法違反だよ。真にブラック企業と呼ぶべきは、家庭なんだよ。それをお前如き新米のなんちゃって主婦が、全国の主婦代表みたいな大きな顔をしてんじゃねーよ」


 「私主婦じゃないもん、竜じゃもん」


 「お前、次それ言ったらグーパンチな。僕は男女平等主義者だから、一応は女子であるところのお前の顔面にだって、グーパンチをお見舞いすることだって厭わないんだぜ」


 「その構図だけ想像すると、男女平等と言うより、男尊女卑という感じなのじゃが……。と言うかお主、お主に私は殴れんじゃろ。私と言うか女と言うか、そもそも人を殴れんじゃろ、お主では」


 「な、何を馬鹿な。何を根拠にお前はそんな根も葉も突拍子もないことを言うんだ」


 「根拠? 根拠などすぐそこにあるではないか。ほれ、右手を貸してみよ」


 言われるがまま右手を差し出すと、縁はその手をふにふにの両手で包んで、つぶさに感触を確かめた。


 「この柔い拳で、何を殴れると言うのじゃ。お主は人、どころか物でさえ全力で殴りつけたことはないじゃろう? いつだってそうじゃ。この温かい掌は、何かを守ることは出来ても、壊すことは出来ぬ」


 「……いや、急にそんな、漫画みたいな台詞言われても、臭いな、くらいにしか僕は思わねえよ?」


 「台無しじゃわい! お主には素直さというものがないのか。……おのれぇ、さっき読んでた漫画だと良い感じになってたのに!」


 と言うか、そのまま漫画からの剽窃だった……。


 「忘れてるようだから言うけど、その漫画、僕のだから。何なら、右手を貸してみよ、の辺りからこうなることは予想出来てたから」


 「初めからお主の掌の上というわけか」


 ――うん、まあ、お前が一人で勝手に踊ってただけなんだけどね……――。


 「で、どうするよ。僕はこれから、地区センターにでも行って、学生らしい活動をしてくるつもりだけど」


 「ん? 今日の予定はキャンセルということになったのではなかったのか? そういうことじゃから、今日はお主も、ここで一日だらだら過ごすことにしたのでは?」


 僕の腹に頭を乗せる縁は、疑問そうな表情でこちらを向いた。


 「気が変わった。このままこの陽だまりの中でゴロゴロしてたら、駄目人間になっちゃいそうだからな」


 最近ようやく、怠惰なだけの生活から抜け出せてきたのに、今更逆戻りはしたくない。僕は真人間になるのだ。


 「運動不足解消も兼ねて、いつもの地区センで有意義な一日を過ごすことにするよ、僕は」


 「ふぅん、そうか……」


 縁は腕を組んだ。付いて行くべきか、それともここに残って全巻読破を目指すのか、迷っているのだろう。


 「お昼はどうするのじゃ?」


 ――考える基準がいつだって食べることなんだよなあ、こいつって。


 「昨日の夕飯のおかずが残ってるから、それを箱詰めにして行く」


 「ふむ。と言うことは、向こうで食べるということか……。それならば私も行こうかの」


 「お前の判断基準は、飯オンリーなのか?」


 「うむ。勿論じゃ。私の判断基準は常に、お主と一緒に食事が出来るかどうか、じゃ」


 ゴロンと裏返り、僕の腹に顔を埋めたまま縁は言った。


 「じゃあ退けよ。二人分の弁当作んなきゃなんだから」


 「ふあーい」


 起き上がって、大きく伸びをしながら欠伸する縁。


 重みと温もりが去った腹筋に力を入れて、立ち上がる。


 絶妙に温かく、絶妙に涼しい窓際の陽だまりでのうたた寝は如何ともし難く魅力的だったが、未練を断ち切って、僕は果敢に弁当作りに取り掛かった。


 「お前も出掛ける準備しとけよ。良いか? パンツは履くんだからな?」


 普通の女の子に対してならセクハラでしかない発言だが、彼女に対してはどうしても確認しておかなければならない項目だった。


 と言うのも、彼女、本性が野良のドラゴンであるところの縁は、衣料品を纏うことを極端に嫌うのである。僕がうっかりしている間に、下着もつけずに外出してしまったことが、過去に幾度となくあったのだ――。


 「まだ大丈夫じゃあ。お昼になるまで、私はここで漫画読んどるから」


 「えっ、お前、道は……」


 ――流石に分かるか。もう何度も付いて来てるし。


 「どんだけその漫画読みたいんんだよ……。別に良いけど。ちゃんと戸締りしてから出るんだぞ?」


 「分かっておるわい。もう何か月この家に住んでいると思っておるのじゃ?」


 縁が我が家に来てから、もう四か月近くが経つ。


 「……四か月も経つのに、ノーパンで外を出歩くようなことがあるから信用ならないんだよ」


 ――しかし、四か月か……。


 あっという間だった、というのが正直なところである。彼女との生活が始まったあの夜から、もうそんなにも時間が経ったのかと、改めて口にしてみると驚いてしまう。


 この四か月の間、色々なことが、具体的に言えば、ゴールデンウィークのことや、犬上のこと、伏見のことがあった。晩春の夜、僕は一度殺されて、そして彼女の心臓を譲り受けた。


 恐ろしさも、悍ましさも、おどろおどろしさも、痛みも、喜びも、全て昨日のことのように思い出せる――。


 様々な不思議なこと。様々に不可思議なもの。僕はそれらを、普通の人間よりもいくらか、感知し易くなった。竜である縁の心臓を移植されたことで、常人には見えないものが見えたり、聞こえるはずのないものが聞こえたりするようになった。


 この世界は積層構造になっていて、視点によって立場によって、見え方はそれぞれに異なる。僕の場合、視点が少しずれて、立ち位置が人間の位置から微妙にずれているのだそうだ。


 闇の中からこちらを見つめるもの、持ち主のない影、道路の端で蠢く塊、人や動物の姿を模している何か、人に憑くもの、場所に縛られるもの、ただ風に漂うだけのもの、流されるままのもの。それらを僕は、時間によって場合によって、見ることが出来たり、聞くことが出来たり、嗅ぐことが出来たり、触ることが出来たり、出来なかったりする。


 無論犬神や稲荷神、竜などのような例外中の例外はあるが、彼らのほとんどは無害であると、僕は縁や魔女の言葉から学んだ。


 無害であり、有益でもない。ただ在るというだけ、僕に見えるというだけで、在る分には何も問題はない。だから、気にするな。気に留めるな。見えていると悟られるな。こちらが認識しただけで、彼らの存在は強化される。


 あちら側の世界に棲む彼らは、こちら側の世界に干渉出来ない。それが出来るのは、ごく僅かな、理から外れたものたちだけなのだと、そうして境界を越え、均衡を破ったものたちに対処するのが、魔女たる彼女の仕事なのだと言う。


 ――世界は不思議に満ちている。


 僕はそのことを、この四か月で、身を以って体感してきた。


 ……今日も……。


 「なあ縁――」


 今朝の出来事を縁に話してみることにした。もしかしたら単なる見間違いかもしれないが、あの少女、異様に痩せ細った彼女に関する不可解な出来事について、竜としての意見を聞いておきたかったのである――。


 「牛乳を買いに行ったと思ったら、お主は朝っぱらからそんな人道支援に手を染めておったのか。流石の手癖の悪さじゃの」


 「人道支援をあたかも悪行であるかのように言うな。何だよ、手癖の悪さって。人聞きが悪い」


 ――今の話のどこに、手癖の悪い部分があったと言うのか。自分で言うのも何だが、ちょっとした美談として語られてもおかしくない話だったろうに……。


 「いやじゃから、今の話は、お主がいよいよ小学生にまで手を出し始めた、と言う話じゃろ? 要するに」


 「そんな要素は一ミリどころか一ミクロンも含まれてない! お前僕の話ちゃんと聞いてたのかよ」


 「聞いておったぞ。お主が幼気な小学生の、それも抵抗出来ぬ哀れな少女の、初心な唇を奪ったことをなあ!」


 ――唇……? ああ、人工呼吸のことを言っているのか、こいつは。子供な奴め。


 「ふんっ。馬鹿者め。あんなものが接吻行為に含まれるものか」


 そう。あれは単なる、そして純粋なる医療行為。あの時点の僕には、後ろめたさや背徳感など微塵もなかった。強いて言えば、僕でごめんなさい、くらいにしか思っていなかった。


 何度も念を押していると逆に疑わしくなってしまうかもしれないが、それでも敢えて言わせてもらおう。僕は誓って『ファーストキス ゲットだぜ!』とか、そんなやましい気持ちにはなっていなかったのだ。


 「知らなかったのか、縁。僕たちの世界じゃあ、第二次性徴前は性別なし、と見做すものなんだぜ?」


 「知っておるぞ。そんな常識が人間界でまかり通っておらんということは」


 ――ぐぬぬ……。


 「……いや、……いやしかしだよ? 縁さん」


 「何じゃ? ロリえさん」


 「やめろ! 僕をロリコン認定するには、まだ早い。まだ慌てるような時間じゃないんだ! 落ち着けって、縁。僕の名前にロリを組み込むな。僕の名前とロリとじゃあ、流石に親和性が低すぎるよ」


 伊瀬丙。ロリコンのロの字も入らない、完成された名前だ。僕の誇りである。


 「本当に、そんな余裕なかったんだって。今にも息絶えそうだった、と言うか、息はもう絶えてたんだけど。とにかく、あの時は必死だったんだよ!」


 「ほう。必死で小学生にキスをしていたと。つまりベロちゅうであった、と……。どうやらお主のロリコン度合は、私の想像を遥かに超えておったようじゃのう」


 「違う! その『必死』はキスを修飾しているわけじゃない! そして僕は断じてロリコンじゃない!」


 「ロリコンは皆そう言うのじゃ」


 「ロリコンじゃない人も皆そう言うよ!」


 ――お前の意見が正しければ、全人類がロリコン認定されちゃうよ!


 いやその理論だと多分、ロリコンであることを自任し、自称する、真のロリコンたちだけが、ロリコンではないということになってしまう。


 「しかしお主よ、まあ、お主がロリコンであるかどうかは、また別の機会に話し合うとしてじゃ」


 そんな会議が今後一切発足されないことを願っておこう。


 「その幼女にしてみれば、人工呼吸の相手がお主で良かったのじゃろうの」


 「幼女って……」


 ――その言い方だと、僕のしたことがより一層犯罪臭くなってくるんだけど……。


 「幼女ってほどの年齢じゃなかったけどな……。それで、何で僕で良かったと?」


 「お主で良かったと言うか、お主でなければ、その女児童、恐らく助かっておらんかったじゃろう」


 「女児童……」


 ――まあ、彼女が女児童であることには間違いないんだろうけど……。あれ? 大丈夫だよね? これって、捕まったりしないよね?


 「つまり、キスにせよ人工呼吸にせよ、お主はその女子小学生と粘膜接触をしたわけじゃ」


 ――女子小学生と粘膜接触!? 何たるワードチョイス!!


 ……ちょっと、警察行ってこようかな……。


 「そ、その粘膜接触がどう関係していると?」


 「唾液じゃよ。ほれ、以前お主があの狐娘から神器による傷を受けた時、その傷を舐めて治したことがあったであろう?」


 「ああ。あったな」


 伏見との決着がついた晩の事、縁は治療行為として、僕の左脇腹を舐めている。生命の象徴たる竜であるところの縁の唾液には、生物の治癒能力を格段に高める作用があるのだそうだ。事実、七月のあの夜、僕の体に空いた穴はそうして塞いでもらったし、彼女の話では四月に、もっと巨大な洞穴を空けられた時にも同じ処置を施したということらしい。


 「唾液に限らずの。竜の体液には生き物の傷を癒したり、生命力を回復させたりする効果がある。その女子小学生の肉付きが戻った気がしたというのなら、恐らくは竜の心臓を身に宿したお主にも、多少はその性質が引き継がれておったということじゃろう。純然たる竜の私のものに比べれば微々たる効用なのじゃろうが、しかし栄養失調状態にある子供の一命を取り留められるほどには、効き目があったのじゃろうの。


 良かったではないか、お主よ。お主がその無抵抗の女子小学生の口内に、自らの唾液を流し込んだお蔭で、人命が救われたというのじゃから。お主のお蔭様じゃ」


 ――無抵抗な女子小学生の口内に唾液を流し込む? 何だその悪逆非道は。ちょっと許せないな。


 「……と言うか、さっきからお前、言葉選びが悪意的過ぎないか?」


 「私はただ、事実をありのままに話しているに過ぎない」


 事実をありのまま述べることが、必ずしも正しいことではないのだと、僕はこの時、痛切に思ったのだった。



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