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竜の心臓移植 (旧題 ある竜の転生)  作者: こげら
三章 ある罪の報酬
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<15>


 一週間ほど前犬上祐がこの蔵の整理を任されたことが、今回の出来事の発端だった。永らく閉ざされていた蔵の中身に興味を惹かれ物色していたところ、父親からどうせ色々と漁るのなら、ついでに片付けなさいと命じられ、部活に勉強に忙しい犬上だったが、只ならぬ探求心に駆られ、少しずつ作業を進めていたのだそうだ。


 ――そしてその途中、前の日曜日、犬上はあるものを発見した。


 『――我が一族が負いし罪の印と繁栄の代価ここに眠る。忌まわしき犬上が血統よ、彼が眠を又候妨げ給うな。汝富を望む者、令名を欲する者、栄誉を求む者、彼の御力を以て得しものの遍く句且なるを忘ることなかれ。

 ――我罪を犯せし者なり。我が愛し子がため罪と心得罪を重ねし者なり。願わくは呪われし我等が末裔から、己が身命を顧みず彼が鎖を断ち切る者の現れんことを。』


 「みたいなことが書いてある。」


 「よく読めんな。僕にはさっぱり分からん。」


 犬上が読んだのは、蔵の奥底で発見した古地図の脇に書かれた短文である。但し、流れるような優美な草書で書き綴られており、僕には全く解読できない。


 「いや、ところどころ微妙な部分もある。それにこれ、地図はかなり古いみたいだけど、言葉遣いとか結構新しくて、文章の方は後から書かれてる。」


 「へえ。まあ言われてみればそんな感じもしなくはないけど。」


 僕でも聞けば何となく内容が理解できるくらいなのだから、そうなのかもしれない。


 「で、その地図に示された場所が丁度学校だったってことか。」


 図面を覗いてみると、成程確かに高校周辺の地図らしい。校舎や周辺の建物こそ記されていないが脇を流れる河川の蛇行加減には見覚えがある。僕が毎日見る河川のそれと、多少のずれはあるもののほとんど同じだ。


 「その文面だと具体的に何が『眠る』のかは分からないよな。と言うか、明らかな警告文だろ、それ。何でそんなもんを、わけのわからない、しかも危険が伴うかもしれないものを探し当てようなんて思ったんだよ。」


 賢明な犬上らしくもない。


 「まあそれは何というか、好奇心と言うか、怖いもの見たさ?」


 ……そんな下らないもののために犯罪行為に及んだのか、と叱責したくなったが、考えてみれば僕も似たような動機で人類の仇敵であるところのドラゴンを飼育しているのを思い出して自重する。不法侵入とドラゴン飼育とでは、些かこちらの方が分が悪いだろう。


 「で、本当に見つけてしまったと。これを……。」


 これ。犬上が校庭から掘り出したもの。


 ――頭蓋骨。嘗ては皮膚と肉と毛に覆われ、大脳を守護していたであろう頭骨。浅い眼窩、前方に長く延びる上下の顎、鋭い犬歯。犬上が掘り起こしたのは獣の頭骨だ。


 「動物、だよな。狸とかイタチとか?」


 頭蓋骨なんてそう滅多に見るものでもないので詳しくは分からないが、肉食、或は雑食の哺乳類だろう。形と大きさからして少なくとも猫ではない。


 何にせよ、見ていてあまり気持ちの良いものではない。動物の骨なんてものは見慣れたものだし、何なら骨付きの肉にかぶりついたこともあるが、箱の中に丁重に納められているそれは、どこか儀式めいていて、何か暗示的で気味が悪い。


 いや、はっきりオカルト染みていると言っておくべきなのだろうか。それも幼い子供がやるような質の低いオカルトではない。もっと質の悪い、本物の動物の亡骸を使用した、悪戯や真似事というには余りにも生々しい行為である。


 「犬、だよ。これは犬の頭だ。」


 ……犬。


 「犬……って、何でそんなことが分かるんだ? 獣医でもないのに。これを見ただけで、お前みたいに頭の良い奴は分かっちゃうものなのか?」


 「頭蓋骨だけで何の動物か、なんて俺には判断出来ないよ。」


 「ふうん。お前なら分かってもおかしくないと思ったけど。じゃあ、何で。」


 「俺はある程度、これが出てくることを予期してたんだ。犬の頭が出てくるだろうって、いや、俺はまさに犬の頭蓋を探して、これが目当てで穴を掘ってた。」


 つまり、彼がこの蔵で発見したのは警告文の添えられた古地図だけではなかったということらしい。


 「地図見つけてから家の事気になって色々調べたんだ。この蔵の中には、そういう、家の歴史とか記録みたいなものも保管されてるから。で、分かった。この地図と文章が何を意味しているのか。俺のご先祖様が何をしたのか。」


 犬上家の罪の印と繁栄の代価ここに眠る。眠っていたのは犬の頭蓋。それが何を意味するのか、犬上の言葉を聞くまで、僕には分からなかった。


 「……伊瀬は犬神の話を聞いたことあるか?」


 「犬神……。」


 犬上ではなく犬神。


 ――犬神。犬神信仰。犬神筋。犬神憑き。


 聞いたことくらいはある。確か狐憑きと似たような、動物の悪霊の類だ。曰く、憑りつかれた人間は異常な行動をするようになるという、言ってしまえばよくある動物系の悪霊だ。


 「それが何だって……」


 ……いや、そうか。つまりこの男は、そういうことを言いたいのか。


 ――箱に収められていたのは、犬の頭骨。僕の記憶が正しければ、犬神は、犬の首を刎ね、その首を燃やすことで生まれる悪霊だ。首を所有する者に憑き、狂い惑わせわせる一方で、その家に仮初の繁栄をもたらす、或は持ち主の願いを叶えてくれるのだとか。


 犬神。成程いよいよ核心的な単語である。と言うより、それそのものが答えみたいなものだ。ただガラスを割るだけの意図の見えない行為、三階の二年五組の教室、学校の元の所有者、持ち主を時に狂わせるという犬神。これだけ情報が出てくれば、最早彼が何を言いたいかは明らかだ。


 「信じてもらえないかもしれないけど……」


 本日二度目のその台詞は犬上には凡そ似つかわしくない言葉だった。僕は彼がこんなにも自信なく話す姿を初めて見る。


 「……家は犬神筋なんだよ。」


 犬上は語り始める。その内容は確かに、我が校でも屈指の成績を誇る常識人、犬上祐の口から語られているのか疑わしくなるくらいに荒唐無稽だった。


 ――だけど僕はもう知っている。世の中には不思議があるということを。未だ科学では解明されていない、僕たちの認識できないルールがあるということを。


 魔法や精霊術や竜があるのなら、彼の語る突拍子もない話も、有り得ないとは言い切れない。俄かには信じられないが、俄かでないのなら、信じるに足る根拠があるのなら、信じられる。信じ難くとも、それは信じられる可能性がゼロであるということを意味してはいない。僕はあの竜を通して、それを思い知ったのだ。


 ――彼の犬上という苗字は『犬神』からきているのだそうだ。曰く、周囲の人間が畏れと蔑みを込めて、そう呼ぶようになったとか。元々はそのまま、犬神憑きの家などと呼ばれていたものが、それではあまりに直截的で縁起が悪いということで、いつしか犬上と、漢字と読みが変化していったということらしい。


 ……犬上でも十分直截的だとは思うけど。


 まあ、それだけ犬神というある種の蔑称が周囲に定着していたということだろう。犬上の話では、未だにそういった憑き物筋に対する差別が残っている地域もあるということだし、犬神に限らず、正体の分からないものに対する抵抗や或は妬みのようなものはいつの世にも少なからずあり、それを自分たちとは区別して、切り離したくなる気持ちも分からないでもない。褒められたことではないが、それが人情というものだからだ。


 「じゃあ、つまりお前は、その犬神に憑かれた所為で、学校の校庭に穴を掘ったり教室の窓を割ったりしたってことを言いたいのか?」


 「違う。夜中学校に忍び込んで、これを掘り出そうとしたところまでは、あくまでも俺の意思だよ。……いや、どうだろう。もしかしたらそれも、こいつの意思なのかもしれない。」


 「お前にしては煮え切らないな。」


 「ああ、悪い。まあその件については一まず俺の意思ということにしといて、明らかにおかしくなったのはこれを掘り出した後だ。」


 「おかしくなった?」


 「そう。お前たちに見られた次の晩、俺がお前たちを見たと思った次の晩、俺は前日と同じように校庭に忍び込んで、これを見つけた。見つけて、触った。」


 触った。犬の頭蓋骨に直接触れた。今は箱の中に収められているが、そこから取り出した、ということだろうか。


 「その瞬間だったと思う。」


 ――その瞬間、体が言うことを聞かなくなった、そして意思に反して動くようになったと、犬上はそう言った。


 犬神に憑かれた人間は、異常な行動をするようになる。


 ……例えば、意味もなく物を壊す、とか。


 「自分の体が、勝手に、学校の外壁をよじ登って、それからいつも自分が使ってる教室の窓を拾った石で割っていくのを、俺は抵抗することも出来ずに見てた。まるで他人事みたいだったよ。ただ、窓を割る直前、ガラスに映ったその姿は、俺だった。……ぞっとしたよ。月明かりでぼんやりとしか見えなかったけど、その時俺は、俺の顔は笑ってたんだ。」


 「それで、その後はどうなったんだ? それからお前はどうやって、正気に戻ったんだ?」


 僕の疑問に犬上は心底驚いたような顔をした。


 「お前俺の話を信じてるのか? 自分で言うのもなんだけど、こんな夢物語みたいな話を。」


 「いや、流石にまるっきり信じてるってわけじゃないけど、一応話は最後まで聞こうかな、と。」


 信じてはいない。まだ信じてはいない。ただ最後まで話を聞いて、それしか説明のしようがないのなら、信じるしかない。


 「そうか。いや、お前はこういうオカルトみたいな話は全く信じない、どころか馬鹿にするような奴だと思ってたけど。」


 確かにそうだ。以前の僕はそういう人間だった。世の中に不思議はなく、全てのことには何らかの説明が付けられると思っていた。オカルトや神様や占いを信じる輩をどこかで馬鹿にしていたかもしれない。


 「まあ、ちょっとした転機があってな。今でも馬鹿馬鹿しいと思うこともあるけど、そういうのがあってもおかしくない、くらいには思ってるよ。勿論全部を信じてるわけじゃない。お前の話だって、まだまだ疑わしい。だから、最後まで話してくれ。」


 彼女の竜は本物だった。魔女の魔法は本物だった。だからお前のそれを見極めるために話してくれ。


 「分かった。分かったけど、そこからの記憶は曖昧なんだ。窓ガラスを全部叩き割ったところまでは鮮明に覚えてるんだが、そこから、……ああ、地面に降りたのも何となく記憶にある。とにかく、俺は抗おうとしてた。こんなことはもう止めてくれって、その一心で体をどうにか動かそうともがいた。……それから、……それからのことは、悪いけど思い出せない。朝、気付いたら、いつものように自分の布団の中で眠ってた。」


 「格好は? 履いてた靴はどうしたんだ?」


 「靴は脱いであった。服装もいつもの寝巻に着替えてた。」


 「でもその記憶はない、と。」


 「ああ。」


 「それから?」


 「それからって」


 「朝起きてから、お前はどうしたんだ。学校を休んで。」


 「学校を休んだのは、ただの気持ちの問題だ。何せ俺は犯人だからな。気が引けた。窓割った時の記憶ははっきりしてたし、何よりこの頭蓋骨があったから、夢じゃないってことはすぐに分かったよ。だからまず初めに、謝らなきゃと思って、……それから何て説明したら良いか迷った。迷って、迷ってる時間もなくなったから、取り敢えず学校に休むって連絡して、時間を稼いだ。寝惚け眼で、状況も飲み込めてないのに出頭するのは、いくらなんでも厳しいと思ったから。近いうちに名乗り出なきゃいけないとは分かってたけど、せめて自分だけは現状をきちんと把握してからにしようと思ったんだ。まあ、はっきり言ってたじろいだんだよ。自分のしでかしたことに。」


 その後、出来事を整理して、確認すべきことを確認して、どう頭を捻っても説明のしようがないという結論に至ったのだと犬上は言った。


 当たり前と言えば当たり前の判断だった。名乗り出るのが前提というところが如何にも犬上らしいが、確かに犬神の悪霊に憑りつかれて犯行に及んだ、なんて普通の人間が信じるはずもない。


 「だから、理由は誤魔化して、自分がやったってことだけを学校に白状しに行こうとした。」


 「ああ。じゃあ、あの時は学校に行く途中だったってことか。」


 位置的には矛盾はない。僕と伏見が別れ、犬上と僕が会ったあの橋は、学校と犬上家を繋ぐルート上にある。


 「うーん。いや、それも違う、かな。俺はあの場所にお前に会いに行ったんだよ。」


 「?? さっきから思ってたけど、それが分かんないところだ。どうしてあの場所に行けば、僕に会えるって分かったんだ? と言うか、そもそもどうしてわざわざ僕に会う必要性があるんだよ。」


 特別仲の良い友人と言うならまだしも、僕と犬上はただの知り合いであり、無理矢理にこじ付けの関係性を見出そうとしても、一年の頃から同じクラスで出席番号が近いというくらいしか、接点がない。僕には友達がいないので、友達の友達ということもない。そんなほぼ無関係の僕に、どうして彼は真っ先に罪を告白しようと思ったのだろうかと、先程下校中に会った時からずっと疑問だった。何かの機会に、彼が僕の帰宅経路を知ることがあったとしても、そちらの疑問はどうしても解消できない。


 「何と言うか、そうすべきだと思ったから、伊瀬に言えば助けになってくれるかもしれないって、分かんないけど、直感的にそう思ったんだ。」


 「直感、ね。」


 ――直感か、或は直観か。


 「随分論理的じゃないことを言うんだな。まあ、こんな話に論理も理論もないんだろうけど。」


 論理や理論があっても、それは僕たちには分からないんだろうけど。


 「ああ。そうだな。理論的じゃない。どうしてそう思ったのか、自分でも分からないんだから、理論なんてあったもんじゃない。俺にはそういうことがよくあるんだ。何もかもすっ飛ばして答えが分かっちゃうみたいなことが。」


 「そりゃまさしく直感だ。」


 「生まれてからずっとそんな感覚があったから、俺はそれが普通だと思ってた。まあ、中学に上がる前

くらいには、普通とは違うことに気付いてたけど、それでも人よりちょっと勘が良い、くらいにしか考えてなかった。でも違った。俺の勘の良さは、やっぱり異常だった。」


 「それが犬神の恩寵だって言いたいのか?」


 時に持つ者に繁栄をもたらすという、犬神の言い伝え通りに。


 「ああ。」


 「いくらなんでも、それは飛躍し過ぎじゃねえか? 勘が鋭い奴なんて、全くいないわけでもない。ただそれだけを以て、犬神の仕業にするのは、無理があると思うよ。実際にその犬の頭が見つかって、お前の家が昔ながらの犬神筋だと分かったんだとしても、その効果までをも信じるのは馬鹿げてる。」


 呪術だか何だか知らないが、犬神信仰などというものは古い時代の伝説だ。現代で通用する代物ではない。竜や魔法のように、実際にそういうものがあるのだとしても、現代人であり一般人であるところの犬上が何の抵抗もなくそれを受け入れてしまうのは不自然だ。


 不自然で、普通ではない。


 「……そうか? 伊瀬、お前さっき聞いたよな。どうしてあの場所に行けばお前に会えると分かったんだって。あの距離と暗闇で、何で教室にいたのがお前だって分かったのかって。……俺には分からないよ。どうして分かったのか。知るはずのないこととか、見えるはずのないものの正体が分かってしまう理由が俺には分からない。」


 厳しい顔をしたまま犬上は続ける。


 その真剣な面持ちが僕には奇妙に感じられた。犬上が真剣に話しているからには、この話は少なくとも嘘ではないのだ。彼はこういった類の嘘を吐くような人間ではない。だからこそ余計に気味が悪い。


 「ずっともやもやしたものはあったんだよ。何かいつもいつも上手くいき過ぎてるような、気持ちの悪い漠然とした違和感が。そしてついこの前、この蔵で家のことと犬神のことを知った。……その時俺は納得しちまったんだ。ああ、そういうことか、ってな。辻褄があったみたいに、胸のつかえが下りたみたいに。」


 これで全ての説明がつく、と犬上は安堵したのだと言う。


 「だからって」


 「今回のことだってそうだよ。誰も俺を疑わないのは、家が犬神憑きの家だからなんじゃないのかと俺は思ってる。お前が未だに俺のことを擁護しようとしてるのは、犬神のお蔭なんじゃないかって。また俺の都合の良いようになってるんじゃないのかって。」


 「落ち着けよ。そんなことを言い出したら、この議論自体意味がなくなっちまう。悪いけど、僕はまだ信じられないよ。犬神のことなんて。お前が何でそんなにも簡単に信じちまったのかも分からない。」


 「そうか。まあ、そうだよな。普通はそうだ。」


 「そこまで言うなら聞くけど、犬神の話が真実だと仮定して、じゃあどうして、今までお前のために役立ってきた犬神が、今回急にお前の困るようなことをしだしたんだ?」


 「それは、俺が直接これに触ったからだと思う。体が言うことを聞かなくなったのはそれからだ。」


 『彼の眠りを妨げるな。』


 犬上の読み上げた警告文の意味するところはそういうことだろうか。彼の、つまり犬神の眠を妨げる者には禍が降りかかると。しかしそれでは後に続く文との整合が取れない。そもそもあの文章自体が若干の矛盾を孕んでいるのだ。初めに眠を妨げるなと言っておいて、最後には犬神を誰かが解放することを願っている。犬上がそのことに気付かないとは思えない。


 「もし直接触ることが、犬神の悪い方面での発動条件なんだとしたら、今ここで僕とかお前が触ったりしたら、お前が言ったようなことになるのか?」


 「分からない。分からないけど、それは一応やめといた方が良いだろうし、試してもない。あんなのはもう二度と勘弁だからな。」


 「まあ、そうだよな。」


 これまでのことが全て真実なら、少なくとも彼の中で真実なら、それは絶対に確かめられないだろう。


 「ああ、試したと言えば、そうだ。もしかしたら、あれを見せればお前も信じてくれるかもしれない。」


犬上は何かを思い付いたようだった。


 「何だよ。あれって。」


 それは、犬上が学校を休んでいる間に、朝起きて僕と出会うまでに彼が確認したことの一つだった。



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