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いざ、エルフの里へ!

第3章開幕です!

 とある森へと続く山道。獣人のような魔物の首を跳ね、少女は一息つく。その息が白く空へと立ち上る。


 寒空が広がる秋の空の下で、寒くなった手のひらをもむように馬車へと駆けて戻る。


「片付きました〜。行きましょー」

「嬢ちゃん強いね!ありがとう、ほいさ行くぞー」


 馬車の荷台で揺られるローブを纏った人物が三人と一匹。先程切った魔物の血で濡れたレイピアを拭く銀髪の少女リシュ。


 身の丈を超えるような狼に体を預けるように眠る水色の髪の毛のジア。


 荷台が揺れる度に顔色を悪くするポポの三人だ。


 現在ポポの里帰りの為に、馬車に乗っけてもらいながらの旅路を送っていた。


 ポポの故郷であるエルフの里。深く飲む込むような森の中にあるという秘境。許されたものだけが入ることを許される場所であり、エルフの森自体が大きなダンジョンのように魔物でうようよしている。


 大きな理由がなければ、行商人でさえ付近の村人も入らない場所として恐れられている。


「ポポ...大丈夫ですか?」

「う、ヴン大丈夫。姐さんこそ大丈夫...

 か?」

「はい、馬車は慣れてますし、戦闘も問題ないですよ。」

「ぃゃ......うん。ありがとう」


 ポポが聞いた大丈夫という言葉は、風斗が居なくても大丈夫かの意味ではあるのだが、自信満々に問題ないという彼女の顔に何も言えなくなってしまった。


「それで、どうして姐さん達もエルフの森に?」

「エルフの森というか、その中にある里で聞いて欲しいことがあって。それに風斗さんの武器も作っておきたくて......。」


 そう言いながら古くボロボロになってしまった紙切れを手渡す。そこには雑な何かが描かれていて、ポポには見当もつかなかった。


「これの手がかりをエルフの長なら知っているのかなと。」

「長なら一度あったことがある。なんでも知ってる。おでの質問で答えられない事なんて一度もなかった。」

「期待ですねそれは。まぁまだ北は長いですが......はぁ」


 世界の最奥に位置するような北の大地に存在するエルフの森。そしてその中にあるとされる秘境、エルフの里。彼らの旅路はまだ始まったばかりである。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 海の街を出発して約二週間ほど。冬に入る準備を進めたような森の中を、進むパーティーが居た。


 虫のような魔物達をものともせず―。


「ひぃぃぃぃ!気持ち悪いですーーー!!!」

「虫は...勘弁!」

「結構可愛いヤツらなのに......。」


 腰が完全に引きながら、死体を積み重ねるリシュと、文字通り虫を見る目で槍で風穴を開け続けるジア。


 そんな光景にあわわといったように口を開けるポポ。完全にヒロインである。


「ふ、ふぅ。多すぎでは!?」

「仕方ない。ここはもう彼らのテリトリー」

「地道に痕跡を探すしかないよ姐さん。」


 エルフの里は場所を点々とする。そのため外敵からはほぼ襲われることがない。数少ない取引相手にしか自身の場所が分かるようにマナを示しているらしいが、ポポは魔法を全く使えない。


 なので、マナを示されたとしてもポポは分からないので、広大な森を捜索する羽目になっている。


「出る時、めちゃくちゃ反対されたのでは?」

「うん。もんのすごく怒られたけど、最後には長も納得してた。それでこれを持たしてくれた。」


 ポポが鞄から大切そうに取り出したのは無骨なブレスレット。ただほのかに青いようなそのブレスレットは秋であるのにほのかに暖かく、リシュは驚きながらそれを指さした。


「ポポ!それから光が一点に伸びてますよ!」

「あ、ほんとだ」

「本当だじゃないですよ!それがあれば迷わずに行けたのでは......」

「あ......」

「ポポのアホ」


 ポポの手のひらから道を指し示すように伸びる光。その先に待ち受けるように虫や獣の魔物達が多く立ち塞がっている。


「はぁ...。まぁ目指す場所は分かりましたし、野宿する必要が無くなったので頑張りましょう」


 そう言いながらレイピアを片手に、ポポに簡易結界をかけるリシュ。


「いつもすまねぇ。リシュの姐さん。」

「ポポは戦闘向きではありませんし、美味しい料理いつも貰っていますから♪ 」


 そう言い、左手に氷で出来たレイピアを形作りながら、目を据わらせゆっくりとつぶやく。


「さぁ...始めましょうか......。」


 先頭の開始と言うように迫り来る大きなムカデの額に風穴を空ける。


 周囲の羽ばたく蝿と人間を混ぜたような魔物が凍りつき、空から地面に落ちる。

 そして迫り来る魔物達を結界でせき止め、リシュの氷の呪文が口元から放たれる。


「氷魔法『閉ざされた氷の結界』」


 壁のような結界の地面から木々のように氷の樹木が育ち、魔物達を串刺しにする。流れ出た血液がすぐさま氷となり、砕け散る。


 まるで血の雪のように、降り注ぐ中を銀髪の魔女は高速で魔物達の命を刈り取っていく。


「氷魔法『氷雪の突き蕾』」

「剣技『牙狼転創突き』」

「氷魔法『氷の龍』」


 蕾にも似た花が胞子を飛ばすように幾重もの氷魔法を飛ばし、狼の爪のようなレイピアによる波状攻撃、そして魔物達を飲み込む氷の龍。


 魔物たちは為す術もないままリシュにより殲滅させられる。ジアは人型の魔物やスライムを倒し尽くし、サンドラは大型の魔獣に死体を貪っている。


 ここまでの戦闘の日常を見ながら、ポポはただポカーンと眺め続けるしか出来なかった。



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