と、いう夢を見たんだ。
「……っ!」
何が起こったか分からない。
うつぶせたままぼうっとしていたら、また同じ衝撃が襲ってきた。
「よし、起きたな」
「先生、角は痛いんですが」
「じゃあ寝るな」
体罰、と言いそうになるが寸前で口を慎む。言った所でまた凶器が降ってくるだけだ。
いつもの教室だ。そして俺はいつも通り居眠りして、いつもと同じ先生に叩き起こされた。何も変わりはない元の世界。
遠ざかる背中に欠伸を一つ、グッと伸びをして、俺は机に向かった。
「あたっ」
「さらっと二度寝するなバカモンが」
我が高校「成沢高校」は私立のスポーツ有名高だ。とは言え、スポーツが『強くて』有名なのでなく、『設備が潤沢』で有名なのだからかなり皮肉だ。
だからウチの高校の生徒には、勉強出来ないヤツは多い。俺は並みだが、運動部に入ったわけでもない。そういったヤツもさり気に多かったので、教室の空気には若干馴染んでいる。
しかし断言しよう。この話は決して学園モノにはならない。
この場所にはこの場所の、青春を謳歌する主人公達がいる。俺はただの生徒K、ステージにも上がらないエキストラだ。
ここで書かれるのは俺のルーティンワーク、退屈な日常。理由も存在も価値も分からないただの夢日記。だが、これを読む誰かがその価値を見いだせるならそれは重畳だ。存分に活用してくれたまえ。
………………だが、途中で飽きるなよ?
恐らくこれで終了。