異世界?目を覚ませ若人よ!
人を殺しました。すぐに死体が消えるのは仕様です。
返り血を一振りして飛ばし、刀を鞘に収める。
周囲にはだれもいない。背中にしがみつくコイツ以外は。
「……まだなんかあんのか?」
「なんかね、今回はもう一人いるんだよね~。
それもさっきみたいな生半可なヤツじゃないの」
「というと?」
「ガチのドラゴンスレイヤー。相当キャラ作ってるね~。魔法支援もあったみたいだけど剣で倒してるし」
「うわ、マジモンじゃねぇか。なにリアルファンタジーやってんだよソイツ」
「パーティーは神官と魔術師、サムライっぽいのとスナイパー。ちなみに女性は神官とスナイパー」
「男女比もキッチリか。よけいやりづれぇな……
ま、皆が皆、さっきのハーレム馬鹿とは限らねーか」
「稀にみる弱さだったもんね~。
初め一切動かなかったし、攻撃も魔法封じたらカスだったし」
「どうせチート魔法だけで『オレTueeeeeee!』やってたヤツだろうな。
遠距離攻撃で金貯めまくってハーレム作成、適当に良さげなこと言って遠征してあんなコトこんなコトって感じか。典型的なヘタレだな」
「ま、それが普通じゃない?平和な社会から出て来た人が簡単に生き物殺せないでしょ~し」
「魔法なんて便利なモンもあるしなー。使わなきゃ損ってか。
ま、便利なのは当然なんだがなー」
「ささ、行きましょ?カミサマ!
私、心身ともに貴方様に、……てだからスルーは止めて下さいって!」