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7.目が合う

カロリー学院の校内案内図を後書きに載せました。


・・・まぁ、ツッコミは無しの方向で。

――side 景之


 ――あ、また目が合った。


 今日はよく御門先生と目が合う。イメチェンの効果は抜群だ。・・・ちゃんと認識されているのが嬉しい。


 これで、話なんかできたら最高なんだけど・・・それはそれで、緊張して話ができないかも。


「井橋先生」


「あ、品川先生・・・」


「今日はにゃん国同好会に来る?」


 そうか、昨日はイメチェンするので頭がいっぱいで、久馬もろともにゃん国に行かなかったんだ。


 学院猫達は元気だろうか?昨日はそれどころじゃなかったっていうのもあるんだけど、やっぱり一日見ないで終わるのはもの足りない。


「えーと、園芸部に少し寄ってから行くと思う・・・」


「そうか。じゃあ、俺もバードセラピー部に顔を出してから行く」


 とりあえず、お互いに本業というか、正顧問の部活があるからなぁ・・・あっちもサボっちゃったから・・・頑張ろう。うん。



***



 園芸部の活動場所である中庭に行くと、花壇の手入れをしている部員達を見つけた。


「あー!!井橋先生!マジで存在感ある!!」


「・・・あぁ、うん・・・」


 開口一発そんなことを言ってきたのは、3年生で園芸部部長の七瀬晴海(ななせ はるみ)。超天然で、園芸部のムードメーカー的な存在なんだけど・・・。


 そっかぁ・・・普段の関わりが多い七瀬ですら驚くくらいに存在感あるのかぁ・・・この服が。


 うう・・・いつか、服だけじゃなくて存在感を出してみせる!!


「井橋先生、昨日はローズアーチの剪定をしたんですが・・・今日は何をしますか?」


 そう言って声をかけて来たのは、同じく3年生で副部長の松野優志(まつの ゆうし)。優しげな顔立ちをしているけれど、コレでかなりの策略家というか・・・まぁ、園芸部の参謀みたいな感じで、生徒会の日根(ひね)とよく部費の折衝(せっしょう)をしている。


 内部進学の3年生は大学部の学科選択くらいしかやることがないし、部活動に力を入れているメンバーも多い。だからなのか、2年生ばかりの生徒会は色々と要望が出されてしまってとても大変らしい。


 それというのも、先代の生徒会がたまたま全員外部受験希望だったものだから、7月の時点で2年生に交代せざるを得なかったからなんだけど。・・・まぁ、生徒会顧問の久馬壮輔(きゅうま そうすけ)先生(久馬の従兄で化学教諭)が目を光らせているから大丈夫だよな。


「じゃあ、今日は・・・秋まきの種を植えようか。何があったかなぁ・・・」


「リムナンテスなんてどうです?赤玉土(用土(ようど))もバーミキュライト(用土)もパーライト(用土)もちょうど余ってますし」


「あ、ソレ良いね。今まけば来年の入学式頃にちょうど咲くし」


「各教室に飾れるようにしましょう、じゃあ、用意してきます」


「ああ、うん。よろしくね」


 松野が2年生部員の左近千風(さこん ちかぜ)紅野有兎(こうの あると)を引き連れて用土を取りに行くのを見送っていたら、妙に視線を感じて、教室A棟を見上げる。


 教室A棟から見下ろしていたのは、御門先生だった。


「・・・え?」


 バッチリと目が合って、俺は思わず声をあげる。


 もしかして、俺を見てた?今日、やたらと目が合ったのはそのせい?


「どうしたの、井橋先生」


 見つめ合っている所に声をかけられてビクッとする。振り返れば、1年生部員の京家直(きょうけ なお)がいた。俺以上の女顔で・・・いや、高1だしね、比べるのもおかしいんだけど。本当に最初見た時は女の子だと思った。


「あ、いや・・・」


 俺はもう一度教室A棟を見上げ―――。


「誰か、いたの?」


 京家が問うように、もう御門先生はそこにはいなかった。幻?いや、でもちゃんと目が合ったよな。


「―――いや、何でもないよ。活動に戻ろう」


「はぁい」


 さっきのは何だったんだろう。ついつい見つめ合っちゃったけど・・・言いたいことや聞きたいことがあるなら直接言ってくれれば良いのに。


挿絵(By みてみん)


モデルは母校(某私立大学)です。

ここまで豪華じゃないですが・・・規模はほぼこんな感じでした。

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