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駅線争  作者: 浜ちゃん
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ウランとナイフ

今回は長いですがよろしくお願いします!

「教官、あの人・・・」

ああ、と和田は返事をした。浩の目線の先には明らかに怪しい紙袋を持った20代の男性がいた。誰が見ても怪しむぐらい周りを見ている。

「あいつが紙袋を置いた瞬間にお前はあいつを追いかけろ、俺も中を確認して処理に行く。気を付けろよ」

了解、と浩は指を鳴らした。

「もう1つ、殺すなよ・・・・」

「大丈夫です、ひどくて腕一本ですから」

笑顔で答える浩に和田は バカが・・・ と言わんばかりのため息をついた。

15分後、いっこうに紙袋を置かない

「やっぱ普通の迷子でしょうか?」

「迷子なら受付とか他の隊員に聞くはずだ」

確かに、と浩は納得した。15分間に何十人もの隊員と擦れ違ったが話せず、受付と正反対に歩いている。浩が他の意見を言おうとした瞬間に紙袋を置いた。

「行け、あくまで職質だぞ」

浩は小さく頷くと小走りで追いかけた。

「すみません、東京駅員のものですが少しお時間よろしいですか?」

浩が隊員手帳を見せると男が全力で走り始めた。 ビンゴ! 浩は心の中で呟くと全力で追いかけた。歩いている人たちは走ってくるのを見て横に避けている。

「すみません!誰かその人を止めて下さい!」

14年間陸上をやっていた浩でさえ追い付かないぐらい速く、浩が周りの人に助けを求めたが誰一人助けてくれる人はいなかった。 薄情ものめ! と心の中で叫んだ。やつの背中がだんだん遠くなっていく もうダメだ・・・ 浩は体力も足の脚力も限界に達していた。

「止まりなさい!」

浩が顔を上げると1人の隊員が手を前に出して立っていた。その隊員は髪がショートヘアで浩の175センチの身長よりかなり小さい女性隊員だった。

「どけ!どかないと殺すぞ!」

やつはポケットからナイフを出して女性隊員に向かって走った。

「危ない!避けて!」

浩が言っても女性隊員は反応せずにやつを見ている。やぁ~!とやつは叫んで女性隊員に突っ込んだ。誰もが刺された!と思った瞬間、ドウッとやつが倒れた。よく見るとナイフは女性隊員の左手にある。

「大丈夫ですか?」

浩が女性隊員に言うと、まぁ、と頷いた。やつは腹をおさえている。今の状況を見て推測だが、やつは両手でナイフを持って突っ込むが女性隊員が左手で受け流すと同時にナイフを左手で持ち、残った右手でやつの腹に一発入れたらしい。それにしてもは早業とはこのことを言うのかと思うぐらい早かった。

「東条!そいつを爆発物所持およびテロ未遂で緊急逮捕だ!」

遠くからの和田の声で正気に戻ってあわてて腕時計を見た。

「午前11時57分、爆発物所持およびテロ未遂と銃刀法違反で緊急逮捕!」

浩はポケットから手錠を取り出してかけた。

「怪我人は?」

和田が息を切らして言うと浩が いません と答えた。

「そこにいる女性隊員が」

浩が見ると女性隊員は姿を消してナイフだけが床に落ちていた。 どうした? と和田の問いかけに いいえ、何でもありません と浩が少し暗い顔で言った。

「初めてにしてはよくやった」

和田の誉め言葉に少し照れた。

その後、男の身柄は警察に渡されて無事に終了した。和田が別れ様に

「体も頭の中もストレッチしろよ!特に頭の中だ!」

あんたは脳をやわらかくしろ! と言いかけたがやめた。必ず言い合いになるからだ。

「お前より早いやつがこの世にいるんだな」

浩が部屋に入ると情報屋のプロの坂井はニヤニヤしながら言うと うるせぇ! と浩は言った。

「紙袋の中は?」

「ウラン0,95グラムだった。」

浩は すくな! と驚いた。

「お前たとえ一円玉以外でもこの大東京駅が完全消滅する量だぞ!」

「・・・てか、ウランって・・・何?」

坂井はため息をつくと それより と言った。

「今回の事件でとんでもないことが起きるかもしれないな・・・」

「とんでもないこと?」

ああ、と坂井は頷いた。

「今回の犯人が品川駅の駅員ってことだ」

「え!?品川駅ってたしか同盟を結んでいるんじゃないのか?」

そこがヤバい点だ と坂井は言った。

「裏切りか、犯人の単独行動か、どちらかによってこの大東京駅に危険がおよぶ・・・」

危険か・・・ 浩は白い天井を見上げてつぶやいた。

「駅も大変な世の中になったんだな・・・」

ああ、と坂井がつぶやくと2人とも無言のまま布団に入った。

今回はかなり長かったけど頑張りました!

毎回見ていただいている方にお願いです。

感想やコメントをぜひください。

皆さんの感想やコメントを待っています。

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