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強くならない俺が、糸で異世界を生きている。  作者: 優未緋


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第四十一話 作戦会議という名の迷走


場所は、街道から少し外れた森の中。


焚き火を囲んでいるのは、三人。


不屈三牙――

ミロ、ガル、ニィ。


「……で」


ミロが口を開いた。


「どうだった?」


ガルが腕を組んだまま、唸る。


「強ぇ」


「雑すぎない?」


ニィが即ツッコむ。


「もう少し具体的に言って」


「具体的に言うとだな……」


ガルは真剣な顔で考え込み、


「糸が強ぇ」


「それ前も言った」


ニィがため息をつく。


「成長してるのは事実だけど、問題はそこじゃないでしょ」


ミロは地面に枝で図を書き始めた。


「まず前提を整理する」


・糸を張る

・距離を狂わせる(青)

・縁を戻す(赤)※未確認だが噂あり


「……情報量が多いな」


ガルが頭を掻く。


「なあ、正面から殴ればよくね?」


「却下」


ミロとニィが同時に言った。


「殴ろうとした瞬間、距離がズレる」


「気づいたら自分だけ前に出てる」


「恥ずかしい」


「恥ずかしいは余計だろ」


ガルが不満そうに言う。


ニィは焚き火をつつきながら続けた。


「問題はさ」


「“糸をどうにかする”じゃないんだよ」


「“糸がある前提でどう動くか”」


ミロが頷く。


「つまり、あいつは環境」


「地形みたいなもんだ」


「……地形、殴れねぇな」


ガルが真顔で言う。


「殴るな」


ニィが即ツッコむ。


しばし沈黙。


焚き火がパチ、と鳴る。


「……一つ気づいたことがある」


ミロが言った。


「何?」


「俺たち、焦ってない」


ニィが目を細める。


「確かに。前は“勝てなかった”ってだけだった」


「今は」


ガルがニヤリと笑う。


「“どうやったら勝てるか”考えてる」


「それ成長じゃない?」


ニィが言う。


「……悔しいけど」


ミロは枝を置いた。


「つまりだ」


「今すぐ勝てなくていい」


「勝つための負け方を、積み重ねる」


ガルが腕を鳴らす。


「それ、不屈っぽいな」


「不屈三牙だからな」


ニィが笑う。


「じゃ、次は?」


三人の視線が集まる。


ミロは少し考え――


「次は」


一拍。


「もっと恥をかく」


「嫌だ」


ガルが即答。


「だが必要だ」


「論理が雑すぎる」


ニィが言う。


「でも分かる」


「相手の間合いに、もっと踏み込まないと」


「踏み込む=やられる、だけど」


「やられないと、分からない」


ガルが頷く。


「つまり次は」


「もっと無茶する」


「雑にまとめるな」


ニィが叩く。


ミロは焚き火を見つめた。


「……あいつ」


「俺たちが諦めないって、分かってる」


「だから逃げない」


「厄介だよね」


ニィが笑う。


「嫌いじゃないけど」


ガルも笑う。


「倒したくなる相手だ」


ミロは静かに言った。


「追いつく」


「必ず」


焚き火が、強く燃え上がる。


作戦は、まだ形にならない。


だが――

折れる気配は、どこにもなかった。


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