表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【猟奇的サイコスリラー】イミテーション  作者: てっぺーさま
第五章 破滅へのカウントダウン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/60

新たな標的 ③

【悪魔も聖書を引用できる——】


衝撃のラスト!

あなたはきっと騙される!!

 佐藤と別れたあと、拓海はすぐさまタクシーを拾った。怒りで全身がこわばっていた。今はこの怒りを共有できる相手が必要だった。そこで、軽率な行動だとわかっていながらも、タクシーは麗子が待つ屋敷ではなく、別の場所へと向かっていた。

 時刻はもうじき午後八時半。十時までに帰れば、稽古帰りに仲間たちと食事をしてきたという言い訳でごまかせるだろう。

 埼玉までの往復時間を考えると、滞在できるのはせいぜい三十分ほど。そんな短時間では充分に愛し合うことはできないが、今は仕方がなかった。

「くそ、佐藤のやつめ……」

 不用意な一言で、あんな男にこれから毎月三十万もの大金を払い続ける羽目になった。立場上、支払いは拒否できない。拒めば、佐藤は躊躇(ちゅうちょ)なく麗子に真相をばらすに違いない。あの男なら間違いなくそうするだろう。

 彼の機嫌を損ねたのは失態だったが、彼の性格を考えれば、金銭の要求は遅かれ早かれ出てきただろう。だからこそ、事前に牽制しておくべきだったのだ。やはり、麗子から受け取っている金額を正直に伝えてしまったのは軽率だった。つい、自己顕示欲に負けて本当の金額を告げてしまったが、半分の五十万とでも言っておけばよかったのだ。

 一億円という法外な成功報酬も要求されたが、今思えばこれも防げたかもしれない。たとえば、佐藤の貢献に感謝を示したふりをして、こちらから成功報酬の上積みを提案することもできたはずだ。

 もともと三千万円の約束だったから、二千万円上乗せしても五千万円で済む。一億円に比べたら格段に安いし、相手は気分を良くして良好な関係に発展していたはずだ。

 そうやって相手の心理をコントロールすべきだったのだ。事前に頭を使わなかったことが、今さらながら悔やまれた。

 だが、過ぎたことは仕方がない。これからどうするかが重要だ。とはいえ、今のところ一億円を素直に払う気はまったくなかった。

「麗子の次は、あの男をどうにかしなければ……」

 手を染める殺人が、もはや一つでは済まなくなりそうな状況になりつつあった。


    *  *  *


「どうしたの!? そんな怖い顔して……」

 美穂の言葉を無視して、拓海は靴を乱暴に脱いで部屋に上がり込んだ。冷蔵庫から缶チューハイを取り出して一気に飲み干す。そして、空になった缶を握り潰すと苛立ちを爆発させた。

「あの野郎、調子に乗りやがって! ぼくに一億寄こせって言ってきた!」

 美穂が目を丸くする。

「一億も!? 信じらんない! なんてがめつい男なの!」

 拓海はダイニングテーブルの椅子に腰を下ろすと、佐藤とのやりとりを詳しく話し始めた。美穂は立ったまま、怒りの形相で話を聞いてくれた。こうやって怒りを共有できたことで、少しずつ苛立ちが収まっていった。

 話し終えると、美穂が険しい表情で聞いてきた。

「どうするの、払うの?」

「毎月の三十万は、とりあえず払うしかないだろうな」

「三十万……。大金だよね」

「ああ、でも仕方ない。あいつがあの女に全部ばらしたら終わりなんだから」

「だよね……」

「それに、ここまできたんだ。今さら投げ出すわけにもいかない」

「そうだよね……」

 拓海はここで、佐藤と別れてからずっと頭にあった考えを口にした。

「あの女の次は、あいつにも消えてもらう必要があるかもしれない……」

「え……」

 美穂の顔から血の気が引いていく。今の言葉がよほどショックだったのだろう。

 もともと彼女は今回の計画に乗り気ではなかった。何度も説得を重ねて、ようやく同意を引き出したのだ。そこに、予定外の殺人がさらに必要となれば気後れするのも当然だ。

「美穂、心配しなくていい。今はあの女に集中するから、佐藤のことはとりあえず後回しだ」

「うん……」

 美穂は小さくうなずくが、顔は依然として青白いままだ。

 拓海はそんな彼女を見て励ましの言葉でもかけてやりたかったが、今は時間がなかった。危険を承知でやって来ただけに、今は自分の欲望を優先させる必要があった。拓海はダイニングテーブルの椅子から立ち上がると、ベルトに手をかけながら言った。

「美穂、今はあまり時間がない。口でしてもらってもいいか?」

「……ええ、もちろん」

 美穂は素早く身をかがめて膝立ちになると、スラックスを下まで下ろして下着の上から股間にそっと手を這わせてきた。

「ごめんね……。こんなことでしか、サポートできなくて」

 美穂はそう言うと、下着の上から男性器に優しく口づけをし、露出させたそれを口に含んだ。その瞬間、すべての雑念が消え去り、頭の中がすっと冷えていく。拓海は目を閉じ、痺れるような官能に身を委ねた。


 これだ、これなんだ……。ぼくが求めているのは……。


 麗子も拓海を喜ばせようと積極的に口で奉仕してくるが、彼女のやり方はどこかプロっぽくて好きになれずにいた。唾液をたっぷり垂らし、大きな音を立てながらしゃぶる。まるで風俗嬢からサービスを受けているような感じだった。だが、今は違う。美穂の行為には愛が感じられた。

「ああ、イクっ……」

 絶頂は早くも訪れた。拓海は口の中に放出した。頭の中がまっ白になっていく。

 しばらく動かずに官能の余韻に浸る。見下ろすと、美穂が大きな瞳で見上げていた。その潤んだ瞳には、奉仕する喜びのような光が宿っていた。

 精液を飲み込んだことを見届けると、拓海は彼女の光沢ある髪を優しく慈しむようにそっとなで下ろした。

ポチッと評価、お願いします(^ ^)v

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ