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「私」視点
あなたはやっぱりそう言うのね。
私の殺しのパートナーとして頑張ってくれたけどもう限界か。
私はあなたと一緒に逃げない。
あなた1人ならまだしも私まで逃げたら追っ手に追われるのが日常茶飯事になってしまう。
それって本当にあなたの言う自由なのかしら。
え?私がいないとあなたにとっての本当の“自由”にはならない?
そうでしょうね。そんなの分かってる。 思い入れがあるものね。
私の事忘れてほしいけれどあなたは忘れてはくれないもの。
自由になったとしても心の奥底にずっと私がいる。
それでいいじゃない。 私はそっちの方が幸せよ。
あなたは自由で、でも私のことを忘れないでくれて、心に傷を負って生きてくれる。
嬉しいわ。 私はそれがいい。
さようなら、もう二度と会わないといいわね。
殺し屋としての私はきっと逃げたあなたを追って。
もし会うものならー。
泣きながら静かにあなたに伝える。
「明日の月は綺麗でしょうね。」