慟哭レクイエム
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
歌詞は大好きな曲からのオリジナルです。
聞いた曲を私の中で整理して、また吐き出した歌詞。
故に全く異なります。
大好きだった歌手が病で亡くなった。何でも歌い過ぎによる喉から出た病のようだった。
ずっとずっと大好きだった。激しさの中に潜む繊細な曲が、歌詞が、声が。強がりながらも根は繊細な少女の様で何時も夢中になって聞いていた。でももう……聞くことは叶わないのか。
CDから繰り返し再生されるのは、今は亡き硝子の声。暫く失意に沈んだまま日々を過ごし続ける僕を見兼ねたのか、同じファンの一人が声を掛けてきた。
「あの子は基本的に物凄い音痴だけど、特定の曲になるとプロ顔負けで歌うんだよ。……切なくささを感じたくなったら、あの子を呼ぶようにしてる。カラオケ……行くからさ。君もおいでよ」
そうして訪れたカラオケボックス。マイクを持っていたのは、彼女とは全く別の女性だった。鮮やかな黒髪。はにかんだ笑顔。とてもじゃないけど、喉を割るような声は出なさそうだった。
しかし、イントロが流れた途端に、空気が一変した。マイクを片手に目を閉ざす。
吐き出される音量、絶叫。周りの全ての空気を魅了して、彼女は声を出す。紡がれる旋律は荒々しくも繊細なメロディ。歪んだギターと同時に流れるピアノがそのアンバランスさを調和させている。
――今も尚探してる。目の前で亡くなった君のこと。君モデルにした水彩画も、この曲も、一人で聞くには虚しいだけ。あぁ、早く戻ってきて。
幾度となく変わる変拍子。それに合わせて髪が、体が動く。彼女がライブでしていた様に、鮮やかな極彩色の髪を振り乱す。
別人、なのだ。此処で切ない慟哭を上げているのは、彼女じゃない。全く別の慎ましい女性。だけれども、間違いなく彼女なのだ。僕が、僕達が愛した歌姫なのだ。
――分かってるんだ。戻らない過去があるなんて。でも思い続けるだけなら良いじゃないか。この世界のどこからも、君を消させはしないよ。
気が付いたら泣いていた。僕を誘った友人も、静かに唇を噛み締めて、体を強ばらせていた。
「どうかな? □□はもう居ないけど、この曲も、声も、忘れたくなくて必死に写したんだ」
そういう彼女の目にもしっとりと涙が浮かんでいた。
全人類聞いて欲しい、激しくて、繊細で、美しい楽曲です。
心が揺さぶられる。とはこの事。
ちなみに、原曲は音声合成ソフトのとあるキャラです。
歌詞載せたい気持ちを気合いで抑え(著作権の都合)、オリジナルの歌詞として出しました。
読み返すと結構恥ずかしい。
原曲、言葉も綺麗なんですよ。
荒い言葉使いもあります。でも慟哭したくなるほど美しい。
著作権の都合で、タイトルも歌詞も乗せられませんが、雰囲気だけでも掴み取っていただけたらな〜。
と思ってます。