表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/20

途方にくれる

「追放、されちゃったなー……」


 勇者パーティを追放された。僕はそれがショックで、道端に仰向けに寝て、なにをするでもなく、暗黒魔大陸特有の、ムラサキ色や緑色をした、カラフルな雲が空を流れるのを見ていた。


 僕は教会で神様からスキルをもらった時の事を思い出した。


 そう、あれは村で生まれた子供が数えて10歳になったとき、教会に行くと、『スキル』という神さまからの贈り物がもらえるのだ。


 僕の前の子は何をもらったんだっけ?たしか、「原始共産主義」とか、「主体思想」とか、ちょっと難しい名前のスキルをもらってたっけ。


 神様はたまにそう言った感じの、レアなスキルをくれる。

 「剣術」とか、「鍛冶」とか「裁縫」みたいなわかりやすいスキルが大多数だ。

 でもごくまれに、「~~主義」とか「~思想」みたいなスキルがもらえる。

 でもそういうレアなスキルは、大体使い方が難しいので、役に立たないと思われがちだ。


 僕の【NBC兵器魔法】も、最初はそう思われていた。


 魔法という名前が付いているのに、普通の魔法と名前も体系も全然違ったのだ。

 村に居た魔法の先生も匙を投げるくらいには意味不明だった。

 なので僕のスキルは、ハズレスキルだなんて思われていた。


 でも王都の魔法の研究所に行って、あれこれ魔法研究者というひとたちに使い方を教わって、ようやく使い方がわかったのだ。その場所は何故かその後、無くなっちゃったけど……。


 ともかく、ぼくの魔法は、一般的な魔法とは違う、凄い威力を発揮するものばかりだったのだ。

 あまりにも、威力が高すぎるのだ。「テッポードン」ではかまどに火をつけることができない。

 なので、勇者パーティで火を起こすのは、アレスの役目だった。

 いや、他にもいろいろアレスの役目だった気もするけど……。

 

 僕は初めて「テッポードン」を使った日の事を思い出した。


 あの時はまだ子供でそれほど魔力が無かったから、精々村ひとつを包むくらいの範囲だった。

 川で練習すると、鳥や魚がいっぱい浮いてきたものだった。


 あっそうだ。

 お魚がや鳥がたくさん獲れるなら、スローライフってやつをやってみてもいいんじゃないかな?


 網を使う漁師さんでも、流石に川一杯浮いた魚を取ることはできないだろう。

 鳥だってそうだ。ハンターも小山みたいな鳥を集めることはできない。


 とくにテッポードンは撃った後も何かの効果がその場に残って、動物が倒れてたりする。

 きっとあの魔法は罠猟としても使えるはずだ。


 僕の魔法は全てをチリにしたりするだけじゃない。

 きっと使い方次第で、もっといろんな発展があるはずだ。


 なんて名案を思い付いてしまったんだろう。

 勇者パーティに入って戦うだけが人生じゃない。別の道だってあるはずだ。


 特に僕はまだ20になったばかりで、これからの人生はまだまだ長いんだ。


「うん、スローライフ。いいじゃないか!」


 僕は意を決して立ち上がった。

 どこかの田舎に行って、スローライフを始めよう。


 僕はひとり暗黒魔大陸を後にして、人里に帰ることにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ