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私と言う人生の始まりの1歩



よくある異世界転移、もしくは召喚。

まだ分かる。

私もファンタジー大好きだもの。

なんか知らんけど国やらが危ないとかで呼ばれるやつでしょ?

まあ私ぜんっぜん闘えないから無理なんだけど、仲間とか増やしてワイワイガヤガヤ楽しそうじゃん。


異世界転生。

これもまあ分かる、死んじゃってこっちの世界に生まれ変わったやつ。

確かに階段で派手にすっ転んだし、それが原因でこうなったなら仕方無いよね…思い出したよ、うん。

元々色んな小説漫画読み漁ってたし大好きだったから、たまに非日常があったら楽しいよねって話しはね、してたよ。

仲間と冒険とか憧れるじゃん?

焚き火囲んで倒したモンスターの話しをしたり、とある町の宿屋でみんなで雑魚寝したり、そう言う私の居た世界では「ありえない」事が凄く楽しそうに見えてたの。


でも目を覚まして覚醒したら「私前世覚えてる」とか、実はお兄ちゃんも一緒に異世界転生しててこっちでは騎士様やってて私が生まれて来てびっくりしたとか、お母さんも異世界転生してて国の中で薬師として前世の知恵を最大限に活かして生きてるとか、身の回りに生き生きとした身内が居る事に驚きが隠せない。



結果として目を覚ました先で、私はお嬢様になっていた。

とある貴族の令嬢として転生を果たし、前世の記憶を持ちながら7歳からの人生の再スタートを切る事になる。

7歳はちょうど学園でも初等部、中等部、高等部とある中の初等部の入学からそう経っていない。

小学生1年生になったばかりと言える。

学園ではお勉強の他にもたくさんの選択科目があると母が言っていて、母はこちらに来てからマリアンヌと言う女性に成り代わり前世の職で薬剤師をしていた事もあり学園内の医務室にも出向く事があると言う。

ちなみに母の見た目は金髪碧眼、丸々異世界人の見た目をしている。

しかも目鼻立ちの整った美人さんだ、ちゃんと人妻なのに生徒や先生達からの声が掛かるのはさすがだなと前世でも美人だったので納得出来た。

そして兄。

私の尊敬するお兄ちゃんもこちらに異世界転生を果たしており、10歳の時に覚醒してからと言うもの元々大好きだった武術を死ぬ程ストイックにこなして来た彼は14歳と言う若さで国家騎士団にスカウトされたとか。

まだ学業優先ではあるものの大型の任務や討伐遠征の際は駆り出される程の腕らしい。

学園の中にファンクラブもあったりして、見た目がふんわりしている癖に筋肉がバッキバキなのでファンもそのギャップにやられたそうだ。

ちなみにお兄ちゃんの名前はギルベルトと言う。

お母さんがお兄ちゃんを産む時に「絶対この子はギルベルトにする」と譲らなかったらしいのだが、理由は元々の名前が剣人で本人も気に入っていた名前なのだけれど、ハマっていた漫画の主人公がギルベルトなのを知っていたから絶対にギルベルトが良いだろうと言う母さすが!と拍手したくなる理由なのだ。

そんなお兄ちゃんも私が生まれてくると分かった途端、ソワソワと落ち着きが無くなり。

生まれた私を見てライオンキングよろしく神に感謝したと言う。


呆気なく死んだ先で家族と再会するとかどう言うことよ?と首を傾げていたのは、初めだけ。

心を許せる人が初めから近くに居るのは本当に安心出来るので、2人がここに居ると分かった時は泣いてしまった。

2人も不安な時があったけれど、お互いに支え合って生きて来たと聞く。

それなら私もこの異世界転生を楽しんでやろうと意気込んだ。


そうだそうだ、父はこちらの人で学園の教師をしている。

有名な魔法学者で魔術と魔法の調べを研究しているとても偉い人。

一見すると真面目で硬そうに見えるし融通の聞かない頑固なお父さんだけれど、ちゃんと私達の意見を聞いてくれるし愛してくれている。

元々シングルマザーだった環境もあり、いきなりお父さん?とびっくりしたもののとても優しい人だったのですぐに好きになれた。



そんな私の名前はジルベラだ。

母の読んでいた小説のとある令嬢の名前を貰ったとの事だけれど、そのお話しは読んだ事が無くて名付けの理由を聞くと「その主人公すごいのよ、全種類の属性の加護を持ち精霊に愛されて育つ生粋のチートなの」との事。

娘をチートに育てようとしていると聞いた時は、本当に声に出して笑った。

母の計画では兄を剣士に、私を魔法術士に育てようとしているらしい。

幸い素質があったのか父の研究を手伝いながら魔法に対しての知識を磨いていると、ちらほらと綺麗な影を見付ける事もあり、これが精霊かな?と思っていたのだが、彼等は父母兄にも時々見える妖精と言う存在らしい。

人々の生活に寄り添い助けてくれる存在だと聞いた。

優しいお隣さん達なんだなと理解して、私は見掛けると「いつもありがとう」と口にする事にした。


そんな生活を続けていた私に転機が訪れたのは16歳になった時だ。

すっかり異世界転生にも慣れて来て、学園でクセの強い学友との毎日が楽しくて仕方無い。

そんな時にとある事件が起きた。


学園の中で行方不明者が現れたとの事。

生徒会の様な機関でもある「鈴蘭の会」が調査を始めたが、成果が上がっていないとの事で兄や騎士団OB等が駆り出される事態となった。

私の物語はそこから大きく変わり出す。

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