俺は柴咲さんを諦めない⑳
いや、俺もブラの種類を熟知しているワケではないから断定はできないが、俺の少ない経験上その比率が高いと言える。
情報源は俺の妹だ。
洗濯ものの際確認させてもらった(あとで怒られたが)。
硬い原因は最低限カタチを表すために入っているパッドのせいだが、そもそも揉むほどのサイズが無い場合、ブラの感触しかしないためにごわごわとした硬い感触になってしまう。
失礼な話だが、柴咲さんもその域にいるのだろう。
「な、なんで手をワキワキさせているんですか!?」
おっぱいホールドからなんとか脱出した柴咲さんが、俺を見て驚きの声を上げた。
「何、俺も参加させてもらおうと思ってな。ただ、問題があって手をあぐねていた」
「問題って、なんですか」
「感触の問題だ。ブラ越しでは、おっぱいの感触を十全に愉しめない。柴咲さん、すまないがブラを外してもらえないか」
「ダメに決まっているでしょう!?」
まあ、そうだろうな。
こんな非常識な要望が通るとは俺も思っていない。
ただ、背の低い女性は性欲も強いという。一縷の望みに賭けてみたかったのだ。
「残念だ」
俺はワキワキさせていた手を下ろし、ガックリと肩を落とす。
実際はそこまで落胆していないが、俺が残念がっているのを見れば、柴咲さんも少しは善処してくれるかもしれない。
「あ、あの、じゃあ、私ので良ければ……」
しかし、俺の演技で釣れたのは柴咲さんではなく、白鳥さんであった。
以前の裸エプロンのときもそうだが、どうにも白鳥さんは性に奔放な気がする。
これも忍者の教えゆえか、或いは、胸の大きい女性も性欲が強いというので、そのせいか。
「では、遠慮なく」
「遠慮しなさい!」
伸ばした手は叩き落とされてしまった。
悲しいが、これからチャンスはいくらでもある。
ここは大人しく退いておこう。
「まとめに入ろう。俺は二股野郎だが、合意のうえでの関係ということ。そして俺は忍者を目指し、最終的に二人を娶ること目指す。以上で意識合わせはいいな」
「はい!」
「いいですけど、本当に忍者になんてなれるんですか?」
「そこは白鳥さんに協力してもらうから大丈夫だろう」
ただ、忍者になれたとして、本当に二人を娶れるかは不明だ。
セカンドプランも考えてはいるが、できることなら忍者になって全て丸く収めたい。
「さて、それじゃあ折角の機会だし、二人には俺の手料理を披露しよう」
「料理って……、大丈夫なんですか?」
「大丈夫です! 主様、料理上手なんですよ!」




