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ベンデラヘン童話「湖での釣り」

作者: ベンデラヘン=カン=チョースル

「こんにちは、私キクコって言うの。あなた、こんな森の湖で何してるの?」


「やあ、こんにちは。僕はツリスキン。今僕は釣りをしてるんだよ」


「ふーん、そうなんだ。釣りって何?」


「糸の先に餌を付けた釣り竿で、魚を釣ることだよ」


「ふーん、そうなんだ。この湖はお魚が釣れるの?」


「うん。隣の家のおじさんが、この湖は魚がいっぱい釣れるって言ってたよ」


「ふーん、そうなんだ。あなたは釣れたの?」


「まだ、釣れてないんだ。でも、そろそろ釣れるんじゃないかな?」











森の湖の中では色々な魚達が泳いでいます。


魚達だけでなく、魔物までいます。


そんな湖の中に、おいしそうな食べ物がポチャン、と水の上から落ちてきました。


魚達はそのごちそうに群がってきます。



・・・



「わーい、おいしそうな食べ物が降ってきたぞ~」


「私が先に見つけたのよ!私が食べるわ!」


「俺が先だ!腹ペコなんだから俺に食わせろ!」



湖の中の小魚・・・コザ達は突然降ってきたごちそうに、我先に近づいていきます。


最初にたどり着いたコザだけがごちそうを食べられます。


みんな必死に競争しました。



「僕が一番だ!いただきまーす」



そうして、1匹のコザが口を開けた時です。



3匹の魚・・・サカ達が、ごちそうの近くにいたコザの群れに向かってきたのです。



「うわー、サカだー!みんな逃げろー」


「キャーこわーい」



向かってくるサカ達に気づいたコザ達は、一目散に逃げ出しました。




・・・




コザ達に逃げられてしまった3匹のサカ達は、残念そうです。



「あー、せっかくたくさんコザがいたのに、逃げられちゃったなぁ」


「ざんねーん」


「あいつら逃げ足はえーんだよな」



すると、その内の1匹のサカが、おいしそうなごちそうを発見しました。



「あ、こんなところにごちそうがある!いただきまーす!」



そうして、ごちそうに近づいた1匹のサカが口を開けた時です。



1匹の大きな魚の魔物・・・デビルフィッシュがサカ達に近づいてきたのです。



「うわー、デビルフィッシュだー、逃げろー」


「こわーい」


「マジやべー」



向かってくるデビルフィッシュに気づいたサカ達は、一目散に逃げ出しました。




・・・




サカ達に逃げられてしまったデビルフィッシュは、残念そうです。



「ぬ、サカ達に逃げられてしまった。不覚」



すると、近くにごちそうを発見しました。



「これは僥倖。さっそくいただくでござる」



そうして、デビルフィッシュが口を開けた時です。



1匹の大きな魔物・・・シーサーペントが向かってきます。



シーサーペントは、体長5mもある大きな海蛇です。


シーサーペントは海に住む魔物ですが、なぜこの湖にいるのかは知りません。



「ぬ、これは危ない。退散するとしよう」



向かってくるシーサーペントに気づいたデビルフィッシュは、一目散に逃げ出しました。




・・・




デビルフィッシュに逃げられてしまったシーサーペントは、残念そうです。



「あら、逃げられちゃったわ。残念ね」



すると、近くにごちそうを発見しました。



「あら、おいしそう。小さいけど、お菓子にはちょうどいいわね」



そうして、シーサーペントが口を開けた、その時です。



1匹の非常に大きな魔物・・・クラーケンの触手が向かってきました。



クラーケンは、体長50mもある、大きな魔物です。


クラーケンは深海に住む伝説の魔物なのですが、なぜこの湖にいるのかは知りません。


この湖の主です。



「キャー、クラーケンが来たわ!食べられないように逃げなくちゃー」



向かってくるクラーケンの触手に気づいたシーサーペントは、一目散に逃げ出しました。




・・・




シーサーペントに逃げられてしまったクラーケンは、残念そうです。



「ぬうう、逃げられてしもうたわい」



すると、伸ばした触手の近くにあったごちそうを発見しました。



「かなり小さいが、うまそうじゃし、いただくとしよう」



そうして、クラーケンが触手を伸ばした、その時です。



小さなごちそうは、スルスルと水の中をのぼっていき、ついには水から姿を消してしまいました。











「全然釣れないわね」


「うん、そうだね。もう今日は釣りをやめるよ。・・・よいしょっと」


「それがいいわ。こんなつまらないことしてないで、私と森で遊びましょうよ」


「うん、いいよ。でもちょっと待ってね。うんこしたくなっちゃったから湖に出すよ」


「あら、私もうんちしたくなっちゃったから、あなたの隣でブリることにするわ」











小さなごちそうを失い、残念そうにするクラーケン。


しかし、湖の中にボチャン、ボチャンと二つの茶色い物が水の上から落ちてきました。



「ぬう、小さなごちそうを逃したかわりに、これを貰うとするかのう」



そうして、クラーケンは茶色い物体2つを、触手で持ち帰るのでした。



「うむ、うまいのう」



そして、それを食べて満足そうに微笑むのでした。











そして、10年の時が経ちました。



ツリスキンとキクコは、結婚していました。


あれから毎日2人で遊ぶようになり、仲良くなったからです。


ツリスキンとキクコはたくさん子供をつくって、家族仲良く幸せに暮らしましたとさ。




めでたしめでたし。


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― 新着の感想 ―
[一言] 魚は釣れなかったけど女は釣れたということですね
[一言] 連れしょんならぬ連れうんとわw
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