表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『願いの木』-世界を超えた僕の運命の物語-  作者: シュン
第7章:夢を追いかけて
72/90

7-6 秘密の特訓

藤澤君にサッカーをしてもらうために、秘密の特訓をし始めた。放課後、家に帰ると、この前、行った公園に行き、リフティングの練習を始めた。

これが、何の意味になるかはわからないけれど、もし、僕が楽しそうにサッカーをやったら、またやってくれるんじゃないのかな、、


僕には、これぐらいの考えしか出てこなかった。


学校では、東条君が毎日のように藤澤君にサッカーを誘っている。けれど、藤澤君は、決して応じない。しばらくして東条君は、誘うことをやめてしまい、その時の東条君の顔は、辛そうだった。


そんな中、体育の授業でまた、サッカーをする機会があり、藤澤君は、怪我を理由にサッカーをやらなかった。


本当は、やりたいはずなのに、、

あの顔は、絶対そうなんだ、、


試合が、始まった。

僕は、いつもボールが回ってきても、すぐに取られてしまうけれど、今回は、普段より取られることが少なくなった。

リフティングのおかげかな、、

ボールを取られなくなると、走ることができ、なんだか、とても楽しくて、気づくとシュートを決めていた。


サッカーって楽しいんだと感じる。


「やったな!」

武藤君が肩を組む。

「うん」

「愁君、うまくなった?」

優君に聞かれた。

「えーたまたまだよー」


藤澤君を見ると、その目は、一緒にやりたいという目をしている。


僕が上手になるともう一度、サッカーをやってくれるかな、、


それからしばらくして、藤澤君をあの公園に誘った。


僕は、覚悟を決めたんだ。


公園に行きあのベンチに座る。


「サッカーうまくなったな。」

「そうかなぁ、、」

「何かやったのか?」

「あのね、見て欲しいんだ!」


立ち上がり、リュックからサッカーボールを取り出した。

そして、リフティングを始める。

練習のかいがあって、何回か続く。


「山口、、、、」


何回目かでリフティングが失敗して、サッカーボールがベンチに座っている藤澤君の足元に転がった。そのボールを慣れた足で止める。


僕は、藤澤君をしっかり見つめた。


「藤澤君にサッカーをやって欲しい!」


風が吹き、木々がざわめく。


「俺は、、どうすればいいんだろうな、、、」

伏し目がちに呟いた。


藤澤君の前にしゃがんで手をつなぎ目を合わす。


「やろうよ!サッカーをやっている藤澤君が大好きなんだ!!」


僕は、覚悟を決めて言った。


やっぱり、藤澤君には、サッカーが似合ってるんだよ。

藤澤君からサッカーを取ったら、藤澤君ではなくなるんだよ。

両親がどう言っても、サッカーを奪うことはダメなんだ。


「そっか、」


藤澤君は、優しく微笑み、勢いよく立ち上がり、サッカーボールを蹴って、リフティングを始めた。


「こうすんだ!」


あぁ、藤澤君がサッカーをやっている。

嬉しい、、本当に、嬉しい、、

ボールが喜んでいる気がする。


僕は、その光景を見ながら泣いてしまった。


「どうした、?」

「嬉しくて、、、」

僕は、満面の笑みで答えた。

「そっか、、」

藤澤君は、また笑った。


そして、僕らは、原っぱに行って、飽きるまで何度も何度もボールを蹴り合いっこした。


気づくと、夕日が出ていた。


「帰るか!」

「うん。」

駅まで一緒に帰る。


「ありがとな。これで、覚悟が決まった。俺、プロに行くよ!」


藤澤君の横顔は、吹っ切れていた。


「うん、、うん、ずっと応援するよ!」


また、泣いてしまった。


「泣きすぎ。」


「ごめん、だけど、、、、本当に嬉しくて、、、」


突然、抱きしめられる。


「心配かけてごめんな。」


藤澤君の鼓動を感じる。今は、温かい思いが伝わってくる。


「ううん、、こんなのへっちゃらさ。だって、僕らは恋人同士なんだもん。」


僕は、笑顔で言った。


「だな。」


夕日を反射する雲が、幻想的な雰囲気を醸し出していた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ