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『願いの木』-世界を超えた僕の運命の物語-  作者: シュン
第4章:登山大会
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4-9 生還

僕たちは、無事に救出された。

救助隊の人が、本当によかったと喜んでくれて、病院まで送られることになった。初めて乗るヘリコプターは、ドラマのようで感動を覚えた。上から見る山は、雄大で、この中で今まで遭難していたと思うと、上から見る景色と下から見る景色は、全く違うものなんだと改めて実感する。ほどなくして、病院に着き、ヘリコプターから降りる。


そこには、武藤君と凛君と東条君、そして、先生たち、僕らの家族もいた。

改めて自分たちが起こした遭難というものの大きさを感じてしまう。


「愁くーーーーーーーーーん!!!」

凛君が駆け寄って抱きしめてくれた。

「よかった!!無事で!!」

大きな声で凛君が泣いている。僕も一緒に泣いた。それは、もう大きな声で。

「ごめんな。こんな目に合わせて、」

武藤君が心配そうに言った。

「ううん。僕にもっと体力があれば、よかったんだよ。」

武藤君も僕を抱きしめてくれる。


東条君は、藤澤君に駆け寄っていた。

「恭くん、よかった、、本当に、よかったよ、、」

東条君は、泣いていた。

「ごめんな。心配かけて。」

藤澤君は、そっと抱きしめていた。


しばらくして、東条君が僕のところへ来た。

「ごめんね、、あの時、ひどいこと言って、、」

「ううん。僕が悪いんだから、、」

その肩は、震えていて、僕も、東条君をそっと抱きしめた。


坂木先生がやって来た。

「本当に、よかったです。生きていてくれて、ありがとう。」

先生もまた泣いていた。進路指導で厳しく、いつも冷静なのに、こんなにも僕らを心配してくれていた。

「迷惑かけて、ごめんなさい。」

僕は、頭を下げる。

「もういいんですよ。あなた達が、責任を感じることはありません。だから、胸を張って帰りなさい。」

そう力強く言ってくれた。


「ばかやろう!!何回心配かければ気が済むんだよ!」

夏兄が僕を叱った。

「ごめんなさい、、」

「無事でよかった。ほんとうに、、」

咲父さんが泣いている。

「夏兄が貸してくれた銀色のシート、すっごく暖かかったよ。ありがとう。」

「そうか、、よかったよ、マジで、」

僕を抱きしめてくれる。夏兄の身体が冷たかった。

外でどれくらい待っていてくれたのだろうか。

「ごめんね、、」

僕は、夏兄に謝った。

それから、清父さんには、物凄く怒られ、皐兄にも叱られ、

たくさんの人に心配と迷惑をかけたんだと感じた。

けれど、同時にみんなの優しい思いに救われた。




――――――――――――

(視点:藤澤君)

俺は、両親と会った。さとる父さんが怒っている。

「私に迷惑をかけるんじゃない。」

「聡さん、そんな言い方しなくてもいいじゃないですか。とても心配しましたよ。」

ふみ父さんが、聡父さんをなだめつつ、俺を心配してくれた。

「もうこれっきりだからな。」

そう言うと、聡父さんは、去って行った。

「ああ言ってますけど、気にしなくていいからね。おいで。」

文父さんは、俺を抱きしめる。兄さんが俺の肩を叩きながら言った。

「あまり父さんたちに心配をかけるなよ。」

「はい。すみません。」

―――――――――――――




こうして遭難という大きな事件を引き起こした登山は無事に終わった。


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