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『願いの木』-世界を超えた僕の運命の物語-  作者: シュン
第4章:登山大会
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4-6 遭難

霧に包まれ周りの景色が、更なる綺麗さを醸し出す。

「藤澤、そっちの道で間違いないか?」

後ろから武藤君が尋ねた。

「まっすぐ、歩いているから、問題ない」

辺りの霧の量は、さっきより増えて、いつの間にか僕らは霧で覆われていた。

そして、雨が降り出す。雨のせいか、急に寒くなってきた気がする。

「まずいな。雨か。」

武藤君が呟いた。

「一旦、止まれ。とりあえずレインコートを着ろ。」

みんなにレインコートを着る指示を出した。レインコートをザックの上に入れておいたから、すぐに取り出すことができた。

「今この辺りだよな。」

レインコートを着た武藤君が地図を取り出し指をさす。

「ん?そこだっけ?ここじゃない?」

東条君が頭をかしげる。

「何言ってんだよ。ここだろ?」

武藤君が、切り返す。

「いや、ここだろ。」

藤澤君が違う箇所を指でさした。

「もしかして、霧で目印を見落としたんじゃね?」

凛君が、言った。

辺りを見渡すと、すでに霧で何も見えなかった。雨は、さらに強くなり、僕は、だんだんと不安になってきた。


朝の天気予報は、晴れだったのに、、、

お天気お兄さんも行楽日和だって言ってたのに、、、


「俺ら、迷ったんじゃね?」

凛君が、辺りを見渡す。

「嘘だろ、、」

武藤君が、呟く。

「おい!藤澤、お前が問題ないっていうからだぞ!」

「まっすぐ、ちゃんと歩いてただろ!お前だって後ろから見てただろ!」

「じゃあ、何で迷ってんだよ!」

「わかんねぇーよ!!!」

二人とも声を荒げて言い合う。凜君と東条君が、二人を静止しようとするが、さらにヒートアップしている。



「やめてよ!!二人とも!!!!お願いだから、、、僕が、もっと早く歩いてればよかったんだよ、、悪いのは、全部僕なんだから、、」


二人の言い合いが悲しくて泣いてしまった。


沈黙が続き、冷たい雨が僕らを打ち付ける。


「悪かったな。」

武藤君が、藤澤君に謝った。

「俺も、悪かった。」

武藤君が、僕を抱きしめてくれて、頭を撫でる。

「お前のせいじゃない。リーダーの俺のせいだ。」

その言葉にいつものような力強さはなかった。



「さてと!!仕切り直しだ。これからどうするか、、」

雨が強くなるとともに、霧もさらに濃くなり、完全に森の中に閉じ込められてしまった。一時雨宿りをすることにした。武藤君と藤澤君が地図とコンパスをもって現在地を割り出そうとしている。どこで道を間違えたのか、いつから霧が出てきたのか、目印が今何個目かを議論する。しばらくすると、霧が薄くなってきた。

「おそらく、ここが現在地のはずだ。とりあえず、引き返すぞ!」

武藤君が言う。

「引き返すって。どこまで来たかわかんないよ。それよりもこのまま、下ろうよー」

東条君が、軽く言った。

「俺も、瞬に賛成。どうせ、今、下に降りてんだろ。このまま行けば着くだろ。」

凛君が東条君に賛成する。

「いや、武藤の言う通り、引き返そう。」

藤澤君は、武藤君の意見に同意する。

「えっーーーー」

東条くんと凛君が嫌がっている。

「リーダーは俺だ。言う通りにしろ。」

「へーい。」

僕らは、引き返すことにした。しばらく来た道を歩いていると、また霧が立ち込めてきた。僕らは、一時進むのを諦める。

「俺ら、引き返せてるのか、、」

藤澤君が呟いた。武藤君は、黙っている。

「ったく、、霧とかついてねぇーな!!」

凛君が文句をたれ始める。しばらくして、また霧がはれてきた。



「遭難連絡をしよう。」

武藤君は、真剣な顔で言った。



「えっー、それ、やばいやつじゃん、、、!!」

東条君が、焦り出す。

「マジで俺ら遭難したのか?」

凛君が心配そうな顔をする。

「武藤の言う通りだ。俺らは、確実に遭難している。」

藤澤君は冷静だった。僕は、黙って聞いていた。

「今、携帯の電波が届かないから、ひとまず尾根を目指す!」

武藤君が上を指さす。

「えっーー今度は、あそこまで行くの?」

「俺らあそこまで行けるのか?」

東条君と凛君が、不安そうだった。

僕は、またみんなに登らせることに申し訳なさを覚えた。

今度は、尾根を目指すことになった。

「夕方まで時間がある。とりあえず、尾根を目指しながら、電波が繋がり次第、先生に連絡する。愁、行けるか?」

武藤君が僕を心配する。

「うん。大丈夫。」


実際は、左足の痛みが強くなっていた。けれど、これ以上、みんなの足を引っぱりたくないと思い、痛みを隠して笑顔で嘘をついた。


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